求人に掲載されている「資本金」や「従業員数」からわかること

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就職・転職サイトの求人を見ると、企業の「資本金」や「従業員数」が掲載されています。

ハローワークの求人票にも載っていますよね。

また企業のホームページの「会社概要」のページにも、「資本金」や「従業員数」が書いてあります。

資本金の額や従業員数が多ければ「企業の規模が大きくて経営が安定している」とイメージすることができますが…

こうした情報は「就職・転職活動で求人を選ぶ際に役に立つ情報なのか?」を説明していきます。

 

会社概要で見ておきたい点

どの企業でもホームページや、パンフレットなどには「会社概要」というものが載っています。

会社概要は基本的に、「どういう企業なのか?」を紹介しているのですね。

例として、求人情報を提供している企業「マイナビの会社概要」を見てみると、

1.会社の商号
2.本社所在地
3.代表者
4.設立年月日
5.事業の目的
6.資本金
7.主な株主
8.取締役、監査役及び顧問
9.従業員数
10.許可
11.取引銀行

という企業情報を見ることができます。

そしてここには「資本金」と「従業員数」も書かれています。

マイナビの資本金は21億210万円、従業員数は2020年10月1日時点で約11,400名です。

 

企業によって会社概要に掲載する内容も多少は変わってきますが、だいたいこうしたことが書かれています。

就職・転職活動のときは「3の代表者(代表取締役社長の名前)」と、「5の事業の目的」は知っておきたいところです。

「ウチの会社の社長の名前を知っている?」と面接で聞かれることがあるかもしれないので、念のために社長の名前は覚えておきましょう。

 

「資本金」の額が大きければ安定した企業?

資本金とは、企業の設立や運営のために企業に出資した金額です。

新しい企業をつくるときに創業者が自分で貯めていたお金から企業に出資した金額、あるいは株主や投資家から調達したお金が資本金になります。

銀行など金融機関から借りたお金は「借入金」としていつか返さないといけませんが、自分のお金や株主や投資家から集めたお金は返す必要がありません。

これら返済の義務がないお金を資本金と言います。

そして資本金は、過去に企業に出資したお金の合計金額です。

求人に掲載されている資本金はこれまでの合計金額なのですね。

「出資してもらった資本金の額が大きければ大きいほど企業の経営が安定している」というイメージがありますが、実際はどうなのか。

 

資本金が多ければ事業は安定する傾向にある

下の表は2018年度(2018/4~2019/3)の資本金額別の倒産確率です。

資本金 倒産確率
資本金マイナス 1.15%
100万円未満 0.71%
100万円~ 0.66%
200万円~ 0.73%
300万円~ 0.56%
500万円~ 0.51%
1,000万円~ 0.48%
2,000万円~ 0.38%
3,000万円~ 0.43%
5,000万円~ 0.36%
10,000万円~ 0.29%
20,000万円~ 0.49%
30,000万円~ 0.18%
50,000万円~ 0.04%

出典:リスクモンスター株式会社 倒産分析・業界分析レポート2019 資本金(倒産確率)×業種

上の表を見ると、資本金が多いほど企業経営は安定性が高く、倒産する確率は少なくなります。

ただ業種によっても倒産確率は変わってきますので、より詳しい情報はリンク先でごらんください。

 

資本金が大きいと、それだけ過去の経営実績がある企業といえますが、それはあくまで「過去」の話です。

そのため資本金だけを見て、現在の企業の経営状況がわかることはありません。

資本金額が多い企業でも巨額の負債を抱えている場合もありますし、反対に資本金が少なくても大きな利益を出している企業は数多く存在します。

資本金は企業規模をあらわす目安の一つとして、参考程度に見ておきましょう。

 

「従業員数」が多ければ安定した企業?

「従業員数が多い方が、企業の規模が大きくて経営が安定している」というイメージがあります。

実際に企業の規模が大きくなるほど、求職者からの人気も高くなりますが、実際はどうなのか?

 

下の表は2018年度(2018/4~2019/3)の従業員数別の倒産確率です。

従業員数 倒産確率
0人~ 1.06%
5人~ 0.58%
10人~ 0.48%
15人~ 0.41%
30人~ 0.30%
50人~ 0.18%
100人~ 0.11%
200人~ 0.07%
300人~ 0.01%
500人~ 0.00%
1,000人~ 0.06%

出典:リスクモンスター株式会社 倒産分析・業界分析レポート2019 従業員数(倒産確率)×業種

上の表を見ると、従業員数が多いほど企業経営は安定しており、倒産する確率は少なくなります。

従業員数が10人未満の小規模・零細企業では倒産確率が高く、200人以上の企業では倒産確率が低くなっています。

ただ業種によっても倒産確率は変わってきますので、より詳しい情報はリンク先でごらんください。

 

しかし大きな企業でたくさんの従業員をかかえていても、売り上げが減少して資金繰りが悪くなれば経営状況が悪くなり、最悪の場合、倒産することもあります。

大きな企業は経営が安定しているところは多いですが、それでもリスクがないわけではありません。

また反対に「従業員数が少ない企業は倒産リスクがありそう」思うかもしれませんが、一概にそうとは言えません。

小規模・零細企業でも堅実な経営をしている企業もありますし、今後成長して大きな企業になっていく場合もあります。

今の時代は企業に安定性を求めるよりも、将来性のある業界の小規模のベンチャー企業に就職して自分の将来をかけてみるのもいいかもしれません。

 

「資本金」と「従業員数」からわかること

「資本金」と「従業員数」から何がわかるかというと、それによって企業を区別できるようになります。

「資本金」と「従業員数」で、その企業が「中小企業」なのか「小規模企業」なのか分類できるようになるのですね。

下の図は「中小企業庁」が公表している中小企業や小規模企業の定義です。

出典:中小企業庁 FAQ「中小企業の定義について」

上のように、中小企業や小規模企業は「資本金」と「従業員数」で決まります。

例えば製造業なら「資本金の額が3億円以下」「従業員数が300人以下」の企業は中小企業となります。

サービス業なら「資本金の額が5000万円以下」「従業員数が100人以下」の企業は中小企業です。

業種によって違いがありますが、中小企業はこのように分類されます。

「中小企業」以上の資本金や従業員数の企業は「大企業」ともよばれますが、実際のところ「大企業」は明確な取り決めがありません。

国が明確に定義しているのは「中小企業」と「小規模企業」だけなのですね。

この中小企業に当てはまる企業は、国から各種税制優遇などいろんな恩恵を受けることができます。

 

大企業でも倒産する

「大きな企業ほど経営が安定している」と考えている方も多いと思いますが、大企業でも必ずしも安定しているわけではなく、倒産するときは倒産します。

例としてあげると、2019年の大きな企業の倒産は「株式会社エメラルドグリーン」です。

資本金は5,000万円、従業員数は2017年の時点で555人。

「ホテルグリーンプラザ鴨川」などのリゾートホテルを手掛けていた会社でしたが、景気の悪化から会員数が減少して資金繰りが悪化し、2019年1月29日に民事再生法の適用となりました。

 

ほかに近年で大きな倒産と言えば「タカタ(資本金418億62百万円、従業員数45,792人)」です。

タカタは自動車部品メーカーですが、エアバッグの欠陥が大きな問題となり、事故発生後の対応のまずさも原因となって2017年6月に経営破綻して話題になりました。

ニュースでもやっていましたよね。

また消費者金融の「武富士(資本金304億7,800万円、従業員数2,009人)」も覚えている方も多いと思います。

テレビでCMを見た方も多いと思いますが、いろんな事件がかさなり会社の評判が悪くなった上、資金繰りが悪化して2010年9月に倒産、2017年には完全に姿を消しました。

 

就職・転職活動ではあまり意味がない

「資本金」や「従業員数」で企業を分類することはできます。

ただ就職活動や転職活動をしている人にとっては、企業の「資本金」や「従業員数」は特に意味のあるものではありません。

「資本金」や「従業員数」の数字が大きいと「企業の経営が安定している」と安易に連想しがちですが…

大企業でも倒産することはありますし、反対に中小企業でも経営が安定して成長している企業もたくさんあります。

志望先の企業の情報を集めてみて「今後の企業の成長が望めるのか?」「安定しているのか?」と研究する方もいます。

しかし過去の数字をどれだけ並べてみても、将来がどうなるのかまでは予想はできないと思います。

「倒産しそうな企業」よりは「安定・成長している企業」に入社したいと思うものですが、それを見抜くのはプロのアナリストでもむずかしいです。

それよりも企業を選ぶときは「自分のやりたいことができるか?」ということや、給与や福利厚生やその他の条件をよく知っておいたほうが間違いはないでしょう。

「資本金」や「従業員数」の情報は軽くおさえておくぐらいにしておきましょう。

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このブログを書いている人

東京のとある企業で人事担当の仕事をしております。

応募者の面接担当を受け持つこともありますが、私自身もこれまで3度の転職経験があります。

応募する側と採用する側の両方の経験がありますので、それを生かしてこのブログでは転職希望者や新卒者に向けた情報を提供していきます。

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