求人に掲載されている「資本金」や「従業員数」からわかること

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ネットの求人を見ると企業の「資本金」や「従業員数」が掲載されています。

ハローワークの求人票にも載っていますよね。

また企業のホームページを見ると「会社概要」のページにそうした情報が載っています。

資本金の額や従業員数が多ければ「企業の規模が大きくて経営が安定している」とイメージできますが…

こうしたことは求人を選ぶ上で役に立つ情報なのか、ここで説明していきます。

 

「会社概要」で見ておきたい点はどこか?

どの企業でもホームページや、パンフレットなどには「会社概要」というものが載っています。

これは「どういう企業なのか?」を紹介しているのですね。

例として求人情報を提供している企業「マイナビの会社概要」を見てみると、

1.会社の商号

2.本社所在地

3.代表者

4.設立年月日

5.事業の目的

6.資本金

7.主な株主

8.取締役及び監査役

9.社員数

10.許可

11.取引銀行

という情報を見ることができます。

企業によって会社概要に掲載する内容も多少は変わってきますが、だいたいこうしたことが書かれています。

就職・転職活動のときは「3の代表者(代表取締役社長の名前)」と、「5の事業目的」は知っておきたいところです。

「ウチの会社の社長の名前を知っている?」と面接で聞かれることがあるかもしれないので、念のために社長の名前は覚えておきましょう。

そして「資本金」と「社員数(従業員数)」も書かれています。

 

資本金の額が大きければ安定した会社?

資本金とは、会社の設立や運営のために会社に出資した金額です。

会社を新しくつくるときに創業者が自分が貯めてきたお金を会社に出資した金額や、あるいは株主や投資家から調達したお金が資本金になります。

銀行など金融機関から借りたお金は「借入金」としていつか返さないといけませんが、自分のお金や株主や投資家から集めたお金は返す必要がありません。

これら返済の義務がないお金を資本金と言います。

そして資本金は過去に出資を受けた合計金額です。

求人に掲載されている資本金はこれまでの合計金額なのですね。

「出資してもらった資本金の額が大きければ大きいほど会社の経営が安定している」というイメージがありますが、一概にそうとは言えません。

 

資本金の額はあてにならない

資本金が大きいと、それだけ過去の経営実績がある企業といえますが、それはあくまで「過去」の話です。

出資してもらった資本金を元に商売をして利益を出したとしても、その利益の分が資本金にプラスされるわけではないのですね。

あくまで出資してもらったお金の合計が資本金となります。

そのため資本金を見て、現在の企業の経営状況がわかるものではありません。

資本金が数億円の企業でも巨額の負債を抱えている場合もありますし、資本金が少なくても大きな利益を出している企業は数多く存在します。

資本金は企業規模をあらわす目安の一つに過ぎず、企業を判断するための数字とはならないのです。

 

「従業員数」が多ければ安定した会社?

「従業員数が多い方が、企業としては規模が大きくて安定している」というイメージがありますが…

実際は大きな企業でたくさんの従業員をかかえていても、売り上げが不足して資金繰りが悪くなれば倒産することはあります。

ですので従業員数が多いからと言って経営が安定しているとは言えません。

またベンチャー企業など創業したばかりの企業の従業員数が1~50人と少なくても、今後も成長して大きな企業になっていく可能性はあります。

創業から10年以上たっても従業員数が1~50人なら、経営者は企業の規模を大きくする気がないのか、企業を大きくするのが得意ではないのかもしれません。

長年、従業員数がほとんど変わらず続いている企業は、社員の仲が良くアットホームな雰囲気で人間関係が濃い企業も多いと思います。

そうした企業に入社してなじめるかという点も、面接などで確認しておきたいところです。

 

「資本金」と「従業員数」から何がわかるのか?

「資本金」と「従業員数」から何がわかるかというと、それによって企業を区別できるようになります。

「資本金」と「従業員数」で、その企業が「中小企業」なのか「小規模企業」なのか分類できるようになるのですね。

下の図は「中小企業庁」が公表している中小企業や小規模企業の定義です。

上のように中小企業や小規模企業は「資本金」と「従業員数」で決まります。

例えば製造業なら「資本金の額が3億円以下」「従業員数が300人以下」の企業は中小企業となります。

サービス業なら「資本金の額が5000万円以下」「従業員数が100人以下」の企業は中小企業です。

業種によって違いがありますが、中小企業はこのように分類されます。

「中小企業」以上の資本金や従業員数の企業は「大企業」ともよばれますが、実際のところ「大企業」は明確な取り決めがありません。

国が明確に定義しているのは「中小企業」と「小規模企業」だけなのですね。

この中小企業に当てはまる企業は、国から各種税制優遇などいろんな恩恵を受けることができます。

 

大企業でも倒産する

「大きな企業ほど経営が安定している」と考えている方も多いと思いますが、大企業でも必ずしも安定しているわけではなく、倒産するときは倒産します。

例としてあげると、2019年の大きな企業の倒産は「株式会社エメラルドグリーン」です。

資本金は5,000万円、従業員数は2017年の時点で555人。

「ホテルグリーンプラザ鴨川」などのリゾートホテルを手掛けていた会社でしたが、景気の悪化から会員数が減少して資金繰りが悪化し、2019年1月29日に民事再生法の適用となりました。

ほかに近年で大きな倒産と言えば「タカタ(資本金418億62百万円、従業員数45,792人)」です。

タカタは自動車部品メーカーですが、エアバッグの欠陥が大きな問題となり事故発生後の対応のまずさも原因となって2017年6月に経営破綻して話題になりました。

また消費者金融の「武富士(資本金304億7,800万円、従業員数2,009人)」も覚えている方も多いと思います。

テレビでCMを見た方も多いと思いますが、いろんな事件がかさなり会社の評判が悪くなって資金繰りが悪化して2010年9月に倒産、2017年には完全に姿を消しました。

 

就職・転職活動ではあまり意味がない?

「資本金」や「従業員数」で企業を分類することはできます。

ただ就職活動や転職活動をしている人にとっては、企業の「資本金」や「従業員数」は特に意味のあるものではありません。

「資本金」や「従業員数」の数字が大きいと「企業の経営が安定している」と安易に連想しがちですが…

大企業でも倒産することはありますし、反対に中小企業でも経営が安定して成長している企業もたくさんあります。

志望先の企業の情報を集めてみて「今後の企業の成長が望めるのか?」「安定しているのか?」と研究する方もいます。

しかし過去の数字をどれだけ並べてみても、将来がどうなるのかまでは予想はできないと思います。

「経営があぶない企業」よりは「安定・成長している企業」に入社したいと思うものですが、それを見抜くのはプロのアナリストでもむずかしいです。

それよりも企業を選ぶときは「自分のやりたいことができるか?」ということや、給与や福利厚生やその他の条件をよく知っておいたほうが間違いはないでしょう。

「資本金」や「従業員数」の情報は軽くおさえておくぐらいにしておきましょう。

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このブログを書いている人

東京のとある企業で人事担当の仕事をしております。

応募者の面接担当を受け持つこともありますが、私自身もこれまで3度の転職経験があります。

応募する側と採用する側の両方の経験がありますので、それを生かしてこのブログでは転職希望者や新卒者に向けた情報を提供していきます。

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