転職活動をして中途採用で企業に入社すると、職場には自分より年齢が下の先輩や上司がいることもあります。
新卒の就職活動でも浪人や留年をしていれば、自分と同じ年齢の人が先輩や上司になることもあるでしょう。
年下の先輩や上司でも、年齢が近ければ話が合う部分も出てきますが…
30歳以上なれば、年齢が10歳以上も離れている年下の先輩や上司がいたり、社長が年下なんてこともあります。
年齢がひと回りちがうと呼び方や接し方はどうしたらいいのか、とまどいますよね。
ここでは「自分よりも年下の先輩や上司はどのように接したらいいのか?」を説明していきます。
年下の上司や先輩に苦手意識を持つ理由
年下の先輩や上司に、なぜ苦手意識を持ってしまうのか?
それは年齢によって上下関係ができる文化が日本にあるからです。
「年長者が偉い」という年功序列の文化があるため、年下の人が年上の人をうやまったり、敬語を使って話すことが多いと思います。
これは小学校、中学校、高校、大学など学生のときに、そのように教えこまれます。
しかし企業に入社したときは、年齢による上下関係ではなく「どちらが先に入社したか」で上下関係が決まります。
そのため自分より年齢が下でも、先に入社した年下の人が先輩や上司になるという逆転現象がおきます。
学生の時はほぼ年齢によって上下関係がつくられてきましたが、企業では入社歴や役職によって上下関係がつくられます。
このように社会に出ると上下関係のルールが変わるので、やりづらいと感じる方も多いですよね。
そして年下の先輩や上司にはどうやって接したらいいのか、困惑することもあると思います。
転職先に年下の先輩や上司がいる場合
職場の先輩や上司には、敬語を使って話すのが基本です。
年下の先輩や上司にはタメ口ではなく、敬語を使って話すようにしましょう。
年下の先輩や上司の名前の呼び方も「〇〇」と呼び捨てではなく、「〇〇さん」と「さん付け」にしたほうがいいです。
こうしたことに慣れていないと、最初はやりづらさを感じることもあります。
基本的に職場でタメ口や名前の呼び捨てが許されるのは、自分より経験のない年下の部下や後輩に対してだと思います。
しかし自分の先輩や上司になると、そうはいきません。
年下の人に敬語を使うのはイヤで、入社後に、年下の先輩や上司の名前を呼び捨てにしたり、タメ口で話をする人もいますが、大抵嫌われます。
社内でのお互いの立場が決まっているのですから、自分の方が年齢が上というだけで「呼び捨て」や「タメ口」はやめておきましょう。
「仕事を教わる人の態度ではない」と思われて、自分の立場を悪くしてしまいますので、気をつけたいですね。
年下の先輩や上司に対して「君付け」で呼ぶ人もいますが、中には不快に感じる人もいるので「さん付け」の方が無難です。
年下の先輩や上司からタメ口や呼び捨てにされるときは?
自分より年上の先輩や上司から呼び捨てにされたり、タメ口で話をされたり、仕事で怒られることがあっても、ある程度は許容範囲として許せると思います。
しかし年下の先輩や上司に同じことをされると、ムカついたり、なんだかモヤモヤして気持ちの整理がつかないこともあります。
心の中で「年下のくせに…」と思ってしまうこともありますよね。
年上の部下に敬語を使って接してくれる年下の先輩や上司もいますが、そんなやさしい人ばかりではありません。
職場によっては悪気もなく、ちょっとえらそうな態度で接してくる人もいるでしょう。
年上の人間に対して「お前」呼ばわりしてきたり、「コイツ」と言われたり、言葉ひとつでもしゃくにさわることもあると思います。
そんな年下の先輩や上司にはどう対処するか?
その時は怒らずにていねいな態度で軽く受け流すようにしましょう。
頭に来ることもあるかもしれませんが、冷静に軽く受け流しておくのが一番です。
ストレスをためないためには「そういう人なんだ」と割り切って先輩や上司と接することも大事です。
そうした悪気もなく不快な言葉を使う人は放っておけばいいのです。
でもあまりに気になるときは、本人に向かって「お前という呼び方はやめていただけませんか?」と忠告してもいいですね。
時には自分の思っていることを先輩や上司に伝えたほうが、結果としていい関係になります。
双方の人間関係で「これはダメ!」ということは、言葉にして伝えた方がいいのです。
相手が何気なく使っている言葉でも、言われた方がイヤな気持ちになるのなら、それを使わないようにくぎを刺しておくほうがいいのです。
言いたいことを言うことはときには勇気がいりますが、不快な思いを抱え込むよりは、自分の考えていることをハッキリと伝えてみましょう。
部下に対して平等に接する人もいる
中には「部下や後輩には平等に呼び捨てやタメ口で接する」と決めている人もいるかもしれません。
例えば、年下の部下にはタメ口だけど、年上の部下には敬語を使っていると、部下を平等にあつかっていない感じになります。
そのため敬語を使われている年上の部下のほうが変に気をつかわれてしまい、居心地の悪さを感じることもあります。
そのようなことがないように、「部下には敬語は使わず、タメ口で話す」という上司もいると思います。
ちなみに私も職場の人とは平等に接するようにして、仕事の時は年齢や性別にかかわらず敬語を使い、名前も「〇〇さん」と呼ぶようにしています。
この場合、年下の部下や後輩の男性に「さん」付けで呼んだり、敬語で話すのは多少の違和感がありますが、その時の状況によって使い分けてもいいですね。
職場によって部下や後輩の呼び方や接し方は違うと思いますが、そのように決めている方もいると思います。
入社後は仕事を覚えることを優先
自分の先輩や上司ですから、言葉使いも敬語で接したほうがいいでしょう。
年下の先輩や上司の偉そうな態度に頭にきて、感情的になって言い合いになると、お互いの関係を悪くするだけです。
自分の立場が上になった時に、相手に不愉快な思いをさせないように反面教師として学んでおきましょう。
ただパワハラを受けるなど、あまりにひどい態度の時は上に報告した方がいいですね。
入社したばかりの時は、はやく仕事をおぼえて経験を積むことです。
仕事ができるようになれば、職場の人から尊敬されたり頼りにされて、それまでの人間関係も変わってきます。
仕事ができることによって職場での自分の存在感も増して、まわりから頼られる存在になると、先輩や上司との力関係や付き合い方も変わってくることもあります。
その先輩や上司を追い抜いて出世することだってあります。
同じ目線で見ると腹が立つこともありますが、「すぐに自分が追い抜いてみせる」と心の中で思っていれば、少し腹が立つことがあっても冷静に対処できます。
年下の先輩や上司から見た年上の後輩や部下
反対に、年下の先輩や上司からみると、年上の後輩や部下はちょっとあつかいづらく感じます。
学生時代は年齢による上下関係だったのに、社会に出たら入社歴による上下関係に変わり、ルールが複雑になって混乱してしまうのです。
「年上の後輩や部下との付き合い方がわからない先輩や上司」もいますし、実際にけっこう気を使っている人も多いです。
年上の部下をまかされたけど、どうしていいかわからずに悩んでしまって、その部下から距離を置いてしまうこともあります。
例えば、年上の部下が、
「仕事のやり方に文句を言う」
「舐めている態度や、否定的な態度をとられる」
「言葉づかいや態度が厚かましい」
「仕事を教わった後に『ありがとうございます』などのお礼を言わない」
「私語が多い」
「陰で悪口を言う」
など、あつかいづらいと感じれば、よけいにどうしていいかわからず、混乱してしまいます。
それによるストレスや嫌気が言葉や態度にあらわれて、先輩や上司のものの言い方がきついとか、態度が冷たくなることもあります。
そんなときは、年齢をかさねて人生経験のある人のほうが、歩み寄りましょう。
年下の先輩や上司から「偉そう」「怖い」と思われている
自分では年下の先輩や上司に気を使っているつもりでも、実は相手からはそうは思われていないという場合も多々あります。
心の中で思っていることは、相手になんとなく伝わってしまうこともあります。
まずは自分の先輩や上司への接し方を、よく振り返ってみましょう。
いろいろと反省するべき点もあるかもしれません。
例えば、
「年上としての威厳を保ちたい」
「年下の人間に仕事を教わりたくない」
「頭を下げたくない」
「敬語を使いたくない」
と思っていたら、仕事にも影響してきます。
それがイヤだったら退職するしかありませんよね。
特に人生経験が豊富になると、その分だけプライドも高くなりガンコになって、人の言うことに素直に従えない部分も出てきます。
あいさつはするけど社内でも会話が少なく、コミュニケーションをとらずに距離を置くようになると、仕事上の関係もギクシャクしてきます。
年下の先輩や上司は、年上の後輩や部下に対して「怖い」「偉そう」と思うようになり、よりつかなくなります。
そうなってくると仕事にも支障が出てきて、お互いによくないですよね。
年下の先輩や上司への接し方
人間は、自分にやさしく気をかけてくれたり、話しかけてくれる人に好意を持ちます。
先輩や上司と距離があると感じるときは、自分から積極的にあいさつをしたり、話しかけてみるようにしてみましょう。
時間はかかりますが、そうやって社内での人間関係をつくっていくしかありません。
相手から話しかけてくるのを待っているよりは、社内の立場など関係なく、遠慮しないで仕事の話をしたり、自分から話しかけて見ることも大事です。
毎日のあいさつやちょっとした会話の積み重ねで、お互いが話しやすくなりますし、人間関係もよくなっていきます。
特に、年下の立場から年上の後輩や部下に話をしたり、仕事の指示をするのはけっこう気を使います。
年下の上司の態度が偉そうで横柄に見えるのは、そうした緊張した気持ちが影響しているのかもしれません。
そんなときは自分のことばかり考えず、相手の立場で考えてみてもいいですよね。
後輩や部下と世間話をするなど気軽に声をかけたり、コミュニケーションをとることがうまい上司や先輩ばかりではありません。
そうしたことが苦手で、何を話したらいいのか、どう接したらいいのかわからない人もいるのです。
その上、後輩や部下の方も話しかけるのを遠慮していると、職場の雰囲気が悪くなってきます。
相手の状況を理解して自分の態度や行動を変えていくことも大切ですよね。
職場で良好な関係をつくるには?
また仕事に関して、後輩や部下に仕事を教えたり注意するのは、上に立つの人の仕事です。
それには相手の立場も考えて、文句を言わずに素直に聞いて実行して、仕事で結果を出しましょう。
自分でも気がつかないうちに、年下だと思って先輩や上司のプライドを傷つけるような失礼な言動があれば、そこから関係も悪くなってしまいます。
そこは気をつけたいですね。
社会人になった時点で年齢は関係なくなりますし、職場に年下の先輩や上司がいることもめずらしくはありません。
職場にはいろんな年齢や性格の人が集まって仕事をしていますし、職場の人間関係で嫌な思いをすることもあると思います。
感情的になることもありますが、まずは職場の人と良好な関係を築く努力をして、仕事がしっかりできる環境を整えていきましょう。
特に年下の先輩や上司との付き合い方は、やりかたがよくわからないところもあると思いますが、自分から歩み寄る努力はしていきたいですね。
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