新卒の就職活動や転職活動の面接の服装は基本的にはスーツです。
求人の項目に服装に関する記載がなければ、スーツを着ていきましょう。
でも最近は「面接時の服装はスーツでなくてもOK」という企業も多くなってきました。
その場合、求人には、
「服装自由」
「私服OK」
「私服で構いません」
「普段着でお越しください」
と書いてあるものも見かけます。
中には「スーツ厳禁」というのも見かけますが、そう言われても、スーツ以外でどんな格好で面接に行けばいいか迷いますよね。
「『私服OK』と言っておきながら、実際はスーツを着用してきた応募者を優遇しているのでは?」と疑う方もいらっしゃいますが…
ここでは就活や転職の面接時の服装に関しての説明をしていきます。
面接が「服装自由」「私服OK」になる理由
結論から言うと、「もうスーツを着て仕事をする意味」が徐々にですが、なくなってきているのです。
特に夏は毎年のように猛烈な暑さになります。
この暑い時期にネクタイを締めていたら、体の熱が首元から出ていかなくなるので、暑くて仕方がないですよね。
またスーツのジャケットを着ていると暑くなるので、夏の時期は上着なしでネクタイも締めない「ノーネクタイ、ノージャケット」が定番になりつつあります。
実際に白のシャツにスーツのパンツ姿の会社員の方が多いですよね。
夏はエアコンの電気代がかかるため、政府も企業も涼しい格好のクールビズを奨励するようになりました。
夏以外の季節も服を着脱して温度調節がしやすい私服の方が過ごしやすいです。
特にIT系などデスクワークの仕事はスーツを着て仕事をする意味もなくなってきました。
スーツよりもむしろ私服の方が快適で作業効率がいいのです。
従業員の服装による作業効率の違いは、そのまま企業の実績にもあらわれてきますので無視できません。
そのため「私服勤務可」「カジュアルな服装でOK」という企業も増えています。
面接官もそれに合わせて、スーツではなく私服で面接する企業も多くなっているのです。
「服装自由」はどんな格好がいいのか?
「服装自由」「私服OK」といわれたら、どんな格好がふさわしいのか。
企業側の意図としては、「その場に応じたもので、なおかつ応募者本人がリラックスできる服装で来てほしい」というものです。
面接は応募者と企業の面接官が初めて対面する場所になります。
その時はお互いに「相手が不愉快にならない格好」に気をつかう必要があります。
そうなるとスーツがふさわしいのですが、スーツを着ていると「ガチガチの就職・転職活動感」が出て緊張してしまう方もいます。
応募者がリラックスして面接を受けられるようにという配慮もあります。
また相手へ気づかいもしないといけません。
仮に相手の方が「上下ジャージ」や「スウェット」、「Tシャツとショートパンツにサンダル姿」で面接に訪れたら…
「ナニ?この人」と思ってしまいますよね。
それだと第一印象がよくありませんので、私服の選び方や身だしなみに気をつかう必要があります。
また「服装自由」「私服OK」と指定されていてもスーツを着ていく方もいますが、これも間違いではありません。
「私服とスーツは何が違うのか?」と聞かれれば、この辺も説明がむずかしいところですので。
さらに夏の面接会場は冷房が効いていますし、冬は暖房で暖かいですので、その環境でもリラックスできる服装となります。
このような場合、参考になるのは私服で勤務している会社員の服装です。
よく「オフィスカジュアル」といわれますが、その服装を取り入れた方がいいですね。
オフィスカジュアルな服装とは?
基本的にオフィスカジュアルとは、「スーツではないカジュアルさを取り入れた服装」のことをいいます。
「カジュアル」という言葉の意味は「気軽にくつろいだ感じ」なんだそうです。
そう言われると、いろんな服装が浮かんできますよね。
実際に求人に掲載されている写真を見ると、企業の従業員がパーカーやポロシャツやジーンズで働いている写真を見かけます。
そんな写真を見ると「それをマネした格好で面接に行っても大丈夫かな」と思ってしまいますが…
私服の中でも面接用としてふさわしい格好はあります。
「カジュアルな服装」の見本はスーツ量販店にある
面接の服装に迷ったときはスーツを販売しているお店に行ってみてください。
「洋服の青山」「AOKI」「はるやま」「コナカ」「スーツカンパニー」「スーツセレクト」などのスーツを販売している紳士服量販店があります。
これらのスーツ量販店はスーツだけでなく、男性女性ともにカジュアルな服も置いてあります。
自宅の近くにスーツ量販店があるのなら、一度下見に行ってみてください。
店の中に入ってみると、スーツだけでなくオフィスカジュアルな服を着せたマネキンが置いてあります。
服装に迷うときは、そのマネキンが着用している服装を参考にしてもいいですね。
スーツ量販店はビジネスマンに好まれる色やデザインの服を数多くそろえています。
例として「洋服の青山」のサイトを見てみると
このように、オフィスカジュアルな服が売っています。
これらの服装を参考にしてみてください。
ネットで服を購入してもいいですが、自分で選ぶ自信がないときは、お店に出向いて店員に聞いてみましょう。
例えば「今度、企業の面接に私服で行くのですが、おすすめの服はありますか?」と店員に聞いてみてもいいですね。
ビジネス向けの私服に関して店員もくわしい思いますので、いろいろ説明してくれます。
スーツ量販店に気に入った服がなかったり値段が高くて買えないときは、無理に購入しなくても大丈夫です。
スーツ量販店のオフィスカジュアルな服装を参考にして、それと似た服をユニクロや無印良品やGUやしまむらなど値段の安い店で購入すればいいのです。
オフィスカジュアルな服はほかのお店にも売っていますので、スーツ量販店は参考程度に見ておいてほかで購入してもいいですね。
面接ではどんな私服がふさわしいのか?
オフィスカジュアルな服装を例としてあげてみると、
男性は上は「えり付きのシャツ」にノーネクタイ、下は「スラックスなどのパンツ」が基本になります。
夏はえり付きの半そでシャツで上着は必要ありません。
春秋は長そでシャツだけでもいいですし、その上にジャケットを着てもいいですね。
冬の寒いときはシャツの上にコートを着ていきましょう。
男性がスーツを着ていく場合には、ネクタイなしのスーツ姿で。
夏の暑い時期はネクタイとジャケットなしのシャツとスーツのパンツの格好でOKです。
女性は上はブラウスかシャツ、下はスカートかパンツになります。
夏は半そでや七分袖のブラウスやシャツでジャケットは必要ありません。
春秋は長そでのブラウスやシャツでいいですし、その上にジャケットやカーディガンを着てもOKです。
冬の寒いときは上にコートを着ていきましょう。
服装に迷うときはスーツを着ていっても問題ありません。
企業の面接官は年配の方も多いので、私服のシャツやジャケットやパンツの色はハデ過ぎず、柄は無地のシンプルなほうが好まれます。
上はTシャツのみとか、トレーナーやパーカー、下は短パンやジーンズ、女性はミニスカートやロングスカートやワンピースのようなスーツ姿とかけ離れた格好はさけたほうがいいでしょう。
建物内では帽子はかぶらず、派手な腕時計やネックレスやピアスや指輪などのアクセサリーを身につけるのもやめておきましょう。
バッグはA4サイズの用紙が入る大きさで、ビジネスバッグかそれに近い色やかたちのものを選びましょう。
靴は服装に合わせて革靴やパンプスなどがおすすめです。
「動きやすい格好でお越しください」という場合はスニーカーでいいと思います。
なぜ企業は「服装自由」と指定してくるのか?
そもそも面接でスーツを着用してほしいときは企業は何も言ってきません。
スーツこそが面接でのフォーマルな服装ですから。
そこをあえて「服装自由」「私服OK」と記載しているのです。
スーツで問題ないのなら、こんなことは言ってこないのです。
これはどういう意味があるのかというと、「応募者がどんな私服を着てくるのか見てみたい」という意図があるのです。
服装から「どんな人なのか?」を知りたいのです。
「服装自由」と指定すれば、人によっていろいろな格好をしてきます。
パーカーにチノパンなどの普段着のまま来る人や、ブランドで身を固めたハデな人もいるでしょう。
それはその人の考えや個性なので、間違いというわけではないのです。
また「服装自由」と指定されてもスーツで面接に行く方もいます。
それも間違いではないのですが、やはり面接官によってはとらえ方も変わります。
「面接は服装自由」と指定したのにスーツを着ていけば「決まり切った服装に安心して自分で考えていない」と受け取る面接官もいるでしょう。
やはり何か指定してくる以上は、そこに意図があるのです。
今後、日本企業は大きく変わっていきます。
コロナ過で世界は大きく変わりましたが、それがなくても現状のままで安心している企業など少ないでしょう。
企業の変化は人の採用の仕方にもおよびます。
ただ人から言われたことをするだけでなく、自分で考えることができる人が求められるようになってきました。
さらには、ほかの人とは違う考え方を提案したり主張できるかという点も重要視されていきます。
これまでのように、まわりと合わせるだけの人は求められなくなってきています。
その人の個性や考え方を尊重する時代になってきたのです。
「周囲から浮かない、目立たない」ことは、もうメリットではありません。
「服装自由」と指定があったら、自分で服装を考えてみる必要があります。
これは企業からのひとつの「課題」として対処した方がいいのです。
「ほかの人もスーツだから自分もスーツでいいだろう」という無難な横並び意識は捨てて、自分で服装をコーディネイトしてみましょう。
ハデな服装で目立とうとする必要はありませんが、ほかの人とは違うというところは見せた方がいいのです。
「仕事帰りの面接」とか、「他社の面接も受けていたからスーツ」というのなら仕方がないですが、できるだけ相手に配慮した服装を自分で選んでみてください。
服装がわからないときは問い合わせる
どんな服装がいいかわからず不安なときは、企業に電話して聞いてみましょう。
企業のホームページやSNSに社員の私服の姿があれば、それを参考にしてもいいですね。
面接時の服装に関して企業から細かい指定があるのならともかく「服装自由」とか「私服OK」などのざっくりとした指定なら、常識はずれな格好でない限り大丈夫です。
私服選びで悩んでしまう方もいますが、企業の面接官も服装だけで人を判断することはありません。
また「服装自由」と言われても実際にその場に行ったら、スーツで来ている人が多い場合もあります。
日本人はまわりの人と合わせることにとても気を使いますが、企業側の指示に従った服装なら間違いはないので堂々としていましょう。
それでも服装のことを気にしだすと面接で気が散ってしまいますので、気になるときはどんな服装がいいのかよく調べておきましょう。
以上になりますが、面接の際の服装選びの参考にしてください。
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