新卒の就職活動や転職活動やアルバイトの求人に応募するため、市販の履歴書を購入して記入する項目を見てみると、
「履歴書に印鑑を押す欄がない!」と気づく方もいると思います。
「以前は履歴書に印鑑を押す欄があったはずだけど…」と思いだす方もいるでしょう。
「印鑑を押す押印欄はないけど、それでも履歴書には印鑑は必要だよね」
と思って、とりあえず氏名の横の余白に自分の印鑑を押してくる律儀な方もいらっしゃいます。
今は履歴書に印鑑を押す欄がない履歴書が多くなりましたが、それでも印鑑は必要なのか?
そして、きれいに押印する方法を説明していきます。
履歴書に印鑑を押す欄がない理由
実は平成9年(1997年)に総務庁で閣議決定された「押印見直しガイドライン」によって、押印の在り方を見直したり廃止されるようになりました。
この「 押印見直しガイドライン」の記述の一部を引用すると、
押印を求める必要性や実質的意義が乏しく、押印を廃止しても支障のないものは廃止し、記名のみでよいこととする。
(注)次の文書は、上記に該当すると思われる。
・履歴書、住所変更届、廃業届等で、単に事実・状況を把握することのみを目的としているもの
とあります。
ちょっとむずかしい文章ですが、簡単に言うと、
「履歴書に印鑑を押す意味がなくなったので、印鑑は押さなくていいですよ」
ということです。
このような総務庁からの押印の見直しがあったため、現在のJIS規格の履歴書には押印欄はほとんどなくなりました。
ですので履歴書に押印する必要はありません。
履歴書だけでなく、職務経歴書やエントリシート(ES)や添え状の自分の名前の横に印鑑を押す必要はありません。
以前は「この履歴書は間違いなく本人が書きました」という誓約の意味を込めて印鑑を押していたのです。
しかし時代も変化し、押印を求める必要性や意味がなくなったため、廃止となったのです。
実際に銀行などで「印鑑がないから書類が提出できない」とか「印鑑を忘れたから、わざわざ家まで取りに帰った」という経験した方も多いと思います。
そんなよけいな手間をかけずに簡単に手続きができるようになってきたのですね。
押印欄のある履歴書ってまだ残っているの?
大学など学校が独自で作っている履歴書や、企業がつくっているエントリーシートの中には、押印する欄や場所があるかもしれません。
その場合には忘れずにしっかりと印鑑を押しておきましょう。
そして実は市販で売っているJIS規格の履歴書の中にも、押印欄がある履歴書があります。
下のような履歴書ですね。
上の赤丸の「印」とある押印欄には印鑑を押すことになります。
この場合は、忘れずに印鑑を押しておきましょう。
国から「 押印見直しガイドライン」があったとしても、それは強制というわけではないようです。
履歴書を作っているメーカーによっては、上のような押印欄のある履歴書も売っています。
また氏名の欄に「印」と書かれた押印欄がある履歴書もときどき見かけます。
そのときは忘れないように、必ず印の上に印鑑を押しておきましょう。
履歴書に押印欄があるのに印鑑を押しておかないと、企業の採用担当者からは「なぜここに印鑑を押してないの?」と突っ込まれますので気をつけましょう。
結論としては、
印鑑を押す欄がない履歴書のときは、印鑑を押す必要はありません。
印鑑を押したくなければ、押印欄のない履歴書を選んで記入しましょう。
パソコンで履歴書を作成したときも、押印欄がなければ印鑑はいりません。
今は押印欄のない履歴書が一般的です。
就活や転職やバイトでも押印欄のない履歴書で普通に採用されます。
ごくまれに印鑑が必要な企業もありますが、そうした場合には指示があった時に履歴書に印鑑を押せば問題ありません。
また押印欄があるのに印鑑を押し忘れてしまう場合もあります。
あとで気づいたときには応募先に連絡をして押印をし忘れたことを謝り、指示を仰ぎましょう。
応募先から「問題ないですよ」との返答であれば気にする必要はないですが、履歴書を提出する前はよく確認しておきたいですね。
押印する場合はどの種類の印鑑を使ったらいいのか?
ここまで説明してきましたが、押印欄のない履歴書には印鑑を押す必要はありません。
また押印欄のある履歴書には印鑑を押す必要がありますが、その時はどの印鑑を使ったらいいのか?
ここからは「押印する場合」の話をしていきます。
印鑑を使う場合には、上の写真のような「シャチハタ」のハンコを使うのはやめておきましょう。
シャチハタはスタンプ型の印鑑ですので、履歴書などの公式の書類には使うのはNGです。
本当はシャチハタは使い勝手のいいハンコなのですが、日本の印鑑文化は昔から何かと細かいルールにこだわるのですね。
また印鑑には「実印(じついん)」と「認印(みとめいん)」があります。
「実印(じついん)」は役所や銀行などで実印登録した印鑑のことを言います。
マンションなどの部屋を借りたり車などを購入するときなど、何か契約をするときに押印する重要な印鑑です。
実印を持っている方も多いですよね。
「認印(みとめいん)」は実印登録をしていない印鑑のことです。
実印登録はしていないので郵便物の受け取りの時など気軽に使うことできます。
履歴書に押印するときは「認印(みとめいん)」を使いましょう。
履歴書に実印を使ってもかまわないのですが、個人情報保護の点から認印は用意しておいたほうがいいですね。
認印を持ってないときは?
認印はごく普通のハンコで、文房具店やスーパー、書店、100均などで購入できます。
上の写真は100円ショップのダイソーで購入した私の認印です。
履歴書の押印欄へ押すときなどに使います。
自分の名字が彫られたハンコが100円ぐらいで売っていますので、それを履歴書用として使いましょう。
ハンコはこんな感じでお店に売っていますので、自分の名字が彫られたものを探してみてください。
認印は今後も使うことがありますので、ひとつは持っておきましょう。
あと用意するのは「朱肉」です。
朱肉は、ハンコが売っているお店や、書店、文房具店に売っています。
印影がかすれない印鑑の押し方
印鑑を押すときは、印鑑を朱肉にポンポンとつけてから押すのですが…
机の上に履歴書を置いて印鑑を押すと、印影(はんこを押して紙に写されたもの)の一部が欠けたり、かすれてしまうことがあります。
こうなると見た目もよくないので、やり直したほうがいいですね。
履歴書をすべて書き終えた後に印鑑を押して、上のように失敗したらショックだと思います。
押印は打ち直しも修正もできないため「一発勝負」みたいなところがあります。
「ミスしたら新しい履歴書でやり直し」になるので失敗しないようにしましょう。
印鑑を二度押しすると、印影(印を押したあと)が二重になってしまうのでおすすめしません。
印鑑をきれいに押すには「“の”の字に押す」のがいいと言われています。
印影がかすれてしまわないためには、紙に押したときに印鑑を動かさないようにして、そのまま『の』の字を書く感覚でぐるぐると印鑑に力を加えるとうまくいきます。
ぜひ試してみてください。
また履歴書の下が机の場合、机がかたすぎてインクが写らず印影がかすれるなどのミスすることも多いです。
履歴書の用紙と机の間には何かクッションになるものをはさみましょう。
そのほうがかすれることも少なくなります。
ノートや本や新聞などクッションになるものをはさんでもいいですし、「捺印マット」を購入して使ってもいいですね。
印影が斜めにならない印鑑の押し方
印鑑はいきなり履歴書に押印しないで、最初はコピー用紙やメモ帳やいらない紙で押印する練習をしてください。
印鑑を押すことに慣れていないときにいきなり押してもたいてい失敗します。
何度か練習をしてまっすぐ押すコツをつかんでから履歴書に押してみてください。
練習のやり方は印鑑を持って苗字が彫られた面を朱肉にポンポンと2、3回ぐらい押して、よく朱肉をつけます。
机の上にクッションを置いて、その上にコピー用紙などの練習用の用紙を置きます。
そして何度も印鑑をコピー用紙に押してみて、かすれたりななめにならないようにコツをつかんでください。
上の写真の両端ようになるべく傾かないようにしましょう。
ただ印影が少々傾いていても、それを問題視する企業はありませんので、うまく押せないときも気にしすぎないようにしましょう。
程度にもよりますが、45度以内の斜めならOKだと思います。
真ん中の2つのように、ほぼまっすぐ押せるように何度か練習してみましょう。
履歴書に押すときは、押印欄の枠の中の真ん中の位置に押すようにして、枠からはみ出さないように気をつけてください。
そして印鑑を押した後は印影のインクが乾くまでそっとしておきましょう。
使った印鑑は、テイッシュなどで印面のインクをきれいにふき取ってケースに保管しておきます。
また「履歴書を書く前に最初に印鑑を押してしまうか?」「それとも全部書いてから印鑑を押すか?」で迷いますよね。
この辺は人によってやり方が分かれますが、私は最初に印鑑を押しておいてから履歴書を書き始めたほうがいいと思います。
全部書き終えてから最後の印鑑でミスをすると、また最初からやり直しになり落ち込んでしまいますよね。
ミスしそうなところは最初にやってしまった方が確実です。
最初に印鑑を押したときはインクが乾くまで待ちましょう。
まだ乾いていないのにボールペンなどで書き始めて、印影に触れて用紙を汚してしまうこともありますので気をつけてください。
以上になりますが、履歴書に印鑑を使用する場合の参考にしてください。
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