内定後に給与や労働条件の確認はかならずしたほうがいい?

転職活動で志望する企業から内定をもらえたら、「終わった」とホッと一安心すると思います。

うれしくて気分が良い時でもありますが…

 

ちょっと待ってください。そこで終わりではありません。

まだやることはあります。

 

今度は「その企業に本当に入社していいのか?」をよく考えないといけません。

内定先の給与や労働条件など、こまかいところまで確認しないといけないのです。

その確認をしなかったために、入社してから「聞いていた話と違う」「イメージと違う企業だった」と後悔することもあります。

 

せっかく入社できたのに、その後、その職場で働くことがイヤになってしまって、短期間で退職してしまう人もたくさんいるのです。

志望する企業から内定がもらえたことで気持ちが高ぶって、「こまかく確認しなくてもいいかな」と思う方もいるかもしれませんが…

 

まだ志望企業についてわからない部分がたくさんあると思います。

そのへんもよく知ってから、入社するかを決めましょう。

ここでは内定後の労働条件の確かめ方や交渉の仕方、入社するかどうかの決断の仕方などを紹介していきます。

 

内定が決まった後に聞いておきたいこと

企業から内定の返事をもらった後は、内定者と企業の採用担当者との間で入社に向けての話し合いがおこなわれます。

これはオファー面談とも言われています。

できればこのときは電話やメールではなく、実際に採用担当者と会って話をしましょう。

 

今はオンラインでも話ができますので、そうした方法を取ってもいいですね。

お互いの意思のすり合わせや交渉は、できれば顔を合わせて話をしたほうがうまくいきます。

 

そこで採用担当者に聞いておきたい事をあげてみると、下のようになります。

1.給与額(年収)
2.福利厚生の内容
3.仕事の内容
4.雇用形態
5.残業時間
6.残業手当の有無
7.年間休日数
8.賞与、昇給、退職金の有無
9.各種手当(交通費など)
10.育休制度の有無
11.通勤時間
12.働く場所(勤務地や在宅勤務)
13.転勤の有無
14.職場の環境
15.教育制度
16.役職の有無
17.面接時の人事担当者の印象
18.企業の将来性や安定性
19.自分のやりたい仕事ができるか?
20.自分にできる仕事なのか?
21.スキルアップはできるのか?
22.入社したときの自分の仕事をしているイメージ
23.将来の自分像

などです。

これ以外にも自分で聞いておきたいことがあると思います。

 

それをかならずノートなどに書いて情報を整理して、入社を決める前にしっかりと確認しておきましょう。

優良企業なら、採用担当者が給与や労働条件を書面に労働条件をまとめて提示してます。

そして話し合いの場で内定者にくわしく説明してくれると思います。

 

しかし、中には入社前の説明もろくにしない企業もあるかもしれません。

説明不足でよくわからないことがあったら、時間をかけて質問をしてみてください。

 

自分から給与やその他の条件に関して質問して、聞きたいことはすべて聞いておきましょう。

この時の採用担当者の説明がよくわからずあいまいだったり不親切だったら、内定辞退することも考えておいた方がいいですね。

 

内定後の給与額の聞き方

特に給与や年収は、今後の自分の生活にも関わってくる最も大事なことです。

面接では給与や年収の事は聞きづらいと思いますが、内定がもらえたあとなら聞いても問題ありません。

基本的に「給与」とは毎月支払われる総支給額になります。

そして「年収」とはボーナスなどを合わせた1年間に支払われる総支給額になります。

 

給与や年収の額は、入社するかどうかのひとつの目安になります。

仮に採用担当者から「年収は500万円です」と言われたとしても、この500万円がすべてもらえるわけではありません。

その年収から厚生年金保険料や健康保険料などの社会保険料や所得税などの税金を引かれます。

その引かれた額が実際に本人が受け取ることができる「手取り」の額になります。

 

同じく給与もすべての額がもらえるわけではありません。

そこから保険料や税金が差し引かれた額が手取りとして本人に支払われます。

給与と年収とともに、手取りも聞いておきましょう。

 

手取りとして本人の手元に入ってくる金額は総支給額のおよそ75~80%と言われています。

例えば、

年収500万円の場合の手取りは375万円~400万円

給与30万円の場合の手取りは22.5万円~24万円

といったところです。

 

採用担当者には、

応募者
応募者

毎月の給与額と年収とその手取りの額はいくらになるのでしょうか?

と確認してみてください。

お金は非常に大事なことです。

その金額しだいで、内定承諾するか辞退するかの判断も分かれてきますよね。

 

企業が支払える年収額は決まっている

最近は「年収額」を提示している求人も多いですが、中には例えば「給与25~30万円」と書いてあるものも見かけます。

これは「仕事の経験のない未経験者の給与は25万円から」。

「経験やスキルや資格などがあれば30万円までは出せますよ」ということになります。

新入社員の給与が上司や先輩社員よりも高くならないように、企業は支払える金額の範囲を決めています。

 

企業側も従業員に支払える年収はだいたい決まっています。

そして応募者も生活のために「年収○○○万円は欲しい」という希望金額があるでしょう。

応募者も企業から提示された年収に不満があれば内定辞退することもありますし、入社したとしてもすぐに退職してしまう可能性もあります。

反対に希望年収が大きすぎると企業側も払えません。

そのようなことを避けるため、確認として応募者の希望年収を聞いておきたいのですね。

 

希望年収を聞かれたときの答え方

転職の面接やオファー面談で希望年収を聞かれたときは、

応募者
応募者

年収で○○○万円を希望しております

と、具体的な金額を伝えましょう。

採用担当者から質問されたときは、明確に金額を提示したほうが相手もわかりやすいです。

そして希望年収を伝えると「なぜこの金額なのですか?」と採用担当者から質問されることもあります。

 

転職の際に希望年収を決める基準になるのが、現職もしくは前職の年収の額になります。

何の根拠もなく自分が欲しいだけの高い年収額を提示しても、受け入れてもらえないことが多いです。

外資系企業など交渉することで年収額が決まる企業なら、自分の欲しい額を最初に決めておきたいところです。

 

しかし、お金の話は結構デリケートな面もあります。

年収アップにこだわりすぎると企業の採用担当者もいいイメージを持たなくなったり、希望する年収が払えないと企業側が判断すれば不採用になることもあります。

年収アップよりも、まず採用されなければ意味がありませんよね。

 

面接で希望年収を聞かれたときの、面接官に悪い印象を与えない答え方は、

応募者
応募者

現在の職場では○○○万円を頂いているため、その前後程度の年収を希望します

でもいいですし、明確な金額は伝えずに、

応募者
応募者

給与に関しましては、御社の規定に従います

と企業側にゲタをあずけてしまう答え方でもOKです。

もしくは、

応募者
応募者

御社の規定に従います。ただ希望を言わせて頂けるのであれば現職と同じくらいの年収を希望します

でもいいですね。

履歴書に希望年収を記載する場合もありますが、この欄には「現職もしくは前職の年収」を書くか、もしくは「貴社の規定に従います」と書くのが無難です。

 

実務経験やスキルがある方は、転職で年収が上がることもあります。

反対に実務経験やスキルがあまりない方は年収アップになることはほとんどないので、その場合は、ひかえめな言い方が適切です。

 

年収の金額交渉はできるのか?

応募者が希望年収を答えたら、今度は企業の採用担当者がその質問に答える番です。

面接官
採用担当者

あなたの年収は〇〇〇万円です

と、採用担当者が支払える年収額を提示してくれます。

提示された額を見て「これはちょっと低いなあ…」と思うこともあるかもしれません。

 

年収に不満があるときには、

「この金額ですと生活が厳しくなるため、もう少し考慮していただけないでしょうか?」

とか、

「今度うちの子供が進学することになりまして、そのためにお金がかかりそうなんです」

などの年収を上げてほしい理由を伝えて交渉することはできます。

それで企業側が譲歩して多少プラスしてくれる場合もありますし、提示した金額で譲らないときもあるでしょう。

 

この時の提示された金額で、内定を承諾するか辞退するかの判断を下すことになります。

年収アップを目指して転職活動を行っているという方も多いですが、それが実現するためには本人の実力や能力が必要です。

なおかつそれを受け入れてくれる企業を見つけないといけません。

 

また年収に関しては社内規定で決まった額しか出せないため、交渉しても少しもゆずらない企業も多いです。

そうなると「希望年収を伝える意味」もあまりないのかもしれませんが、これはあくまで企業側での確認の意味もあります。

年収アップが望める企業を見つけるには、転職先をじっくり探して高い年収を提示してくれる企業を探すしかありません。

 

オファー面談で即決しない

オファー面談の話し合いが終わるときに、

面接官
採用担当者

特に問題がなければ内定承諾書にサインしてください。

と、その場で決断を迫ってくる企業もあります。

給与やその他の条件も特に不満がなければ、その場で内定承諾のサインをしてもいいのですが…

このときは、その場で決断はせず、家に帰ってよく考えてみることをオススメします。

 

その場の話し合いの雰囲気に飲まれて、見落としているところがあったり、後で気になる点が出てくるかもしれません。

ですので採用担当者には、

応募者
応募者

採用の返事をいただきまして大変うれしいのですが、何日か考える時間をいただけないでしょうか?

または、

応募者
応募者

採用の返事をいただきましてありがとうございます。一度家族とも話し合いたいので入社するかどうかの返事は後日でもよろしいでしょうか?

と伝えてみましょう。

採用に対しての返事の期限は、面接の翌日か2~3日後か1週間ぐらいなのか、どのくらい待ってくれるのかは企業によって違います。

 

内定承諾する前に考える時間をつくる

自分ひとりでじっくり考えてみたり、家族や知人と相談する時間もあったほうが間違いはないです。

何か重要なことを決断するときは、まず家に持って帰って、落ちついた場所で冷静に考えてみることオススメします。

あせって答えを出す必要はありません。

 

人と話をしているときは、相手の話の内容を理解しているようで、実はよくわかっていないときがあるものです。

あとでよく考えてみると、「やっぱり承諾しなかった方がよかったかな…」と思うときがあります。

大事な決断する前は、期限をつくって、自分ひとりで考える時間をつくりましょう。

説明を受けたときの、その場の雰囲気やノリで、よくわかっていないのに返事をすることはなるべく避けたほうがいいのです。

 

最後の決断は慎重におこなう

転職活動は、最後の決断を慎重におこなうことです。

大事な決断をする際に重要なのは「雇用条件の情報収集」と「企業を見極める目」を持つことです。

ネットやSNSで企業情報をしらべることも大事ですが、一番情報を持っているのは、その企業に在籍している採用担当者です。

この人の話をよく聞きましょう。

 

面接の時は企業側に合否の決定権があるので、突っ込んだ質問はあまりできません。

しかし内定後の入社するか辞退するかの決定権は応募者側に移ります。

このときは面接の時のように変に遠慮しなくていいのです。

 

企業の情報を集めて整理して考えること

私の場合、内定後に採用担当者と話し合いの場を持ち、仕事内容や年収や労働条件や待遇などを書面で細かく説明してもらいました。

そして、わからないことは質問をしてノートにメモをしました。

内定を承諾する前に、できる限りの質問をして情報を集めて、ノートなどにこまかく書いて情報を整理してください。

その後、帰宅してからもよく考えてメールでも質問をして、もう一度採用担当者と会う連絡をしています。

その際には、思いついた疑問点を聞いたり、さらには職場を見せてもらい、ほかの社員とも顔合わせをしています。

 

しかし、納得できない部分があり、この企業には内定辞退の連絡を入れました。

ていねいに対応してくださった採用担当者には申し訳なく思いましたが、失敗はしないためにも、内定を承諾する前の情報収集は徹底的におこなうことをおすすめします。

そして「本当にこの企業に転職していいのか?」を時間をかけて、真剣に考えましょう。

家族や友人と相談してもいいし、自分ひとりでじっくり考える時間もできるだけ多くつくってください。

最後の決断は慎重にやりましょう。

 

ここまでやっても入社後に「期待していた企業ではなかった」という感想を持つこともあります。

しかし最後は慎重に決断をしていれば、「ハズレ」を引く確率はかなり低くなります。

 

採用担当者とじっくり話をしていれば、その企業の特徴や雰囲気や様子がなんとなくわかるときもあります。

そして内定後の採用担当者の説明があまり丁寧でないと感じたときには、辞退することも考えておきましょう。

 

内定辞退することもできます

内定承諾書にまだサインしていなければ、内定辞退も簡単にできますし、採用担当者に文句を言われることもありません。

よく考える時間があったほうが、冷静になって決断ができますよね。

 

最初は非常に条件のいい企業だと思ったけど、面接の時や内定後の話を聞いてみると、その企業に対しての印象が変わってくることは、けっこうあります。

第一志望の企業でも、あとでいろんなところが気になってくるものです。

そうした点も、自分でよく考えて納得してから入社する返事を出しましょう。

 

よく考えたけど、内定辞退するとなったら、それでもいいのです。

内定を辞退するときは、企業採用担当者に連絡して、そのことを伝えてましょう。

企業から内定が出た以上は、今度は応募者の方に決定権があります。

自分の転職先を決める大事なことですから、よく考えて決断したいですね。

以上になりますが、内定後の参考にしてください。

「転職経験者のブログ」を書いている人

(やまよし おさむ)

東京のとある会社に勤務しています。
私自身もこれまで5度の転職経験がありますが、採用担当者の経験もあります。応募する側と採用する側の両方の経験がありますので、それを生かしてこのブログでは転職希望者に向けた情報を提供していきます。
更新中のⅹ(旧Twitter)は下からごらんください。

山吉 治をフォローする
転職活動

コメント