簿記3級だけでは転職は厳しいというけど実際のところどうなのか?

転職するために「日商簿記3級を取得したい」という方もいると思います。

簿記の資格を持っていると有利になるのは経理や財務や一般事務の求人になりますが。

実際のところ「日商簿記3級の資格は転職のときにどれだけ有利にはたらくのか?」ごぞんじですか?

ここではその説明をしていきます。

転職活動の際の参考にしてください。

 

日商簿記3級が転職で有利になる条件

最初に結論から申し上げますと、日商簿記3級が転職で有利になるのは20代までです。

もっときびしく言えば、20代前半までです。

もちろん例外はありますが、転職市場での日商簿記3級の価値はそのぐらいの狭い範囲だと思っていいと思います。

資格を持っているすべての人をランクアップさせるほどの力のある資格ではないのですね。

あくまで若い人向けの資格です。

 

実務経験がない20代前半の年齢の方が、日商簿記3級を取得して転職先を探せば、ある程度は転職先が見つかると思います。

簿記3級の資格があれば企業は未経験でもやる気を評価してくれますし、年齢が若ければ給与コストも低いですし将来性を見込んで採用してくれます。

ただそれでも経理や事務などの仕事は人気があるため、資格を持っていても採用してくれる企業がなかなか見つからないこともあります。

そんなときは、数多くの求人に応募して採用してくれる企業をねばり強く探した方がいいですね。

そして転職先で実務経験を身につけることが大事です。

また厳しい言い方になりますが、30歳以上の方が日商簿記3級を取得しても転職先を見つけるのはむずかしいと思います。

簿記の知識を得るためには役に立ちますが、転職活動ではほぼ役に立たないと思った方がいいです。

30歳以上の転職では実務経験が何よりも重視されますので、年齢が上がれば、必要とされるのは実務経験なのですね。

 

日商簿記3級が必要な求人数はどのくらいあるのか?

日商簿記3級の求人数が実際にどのくらいあるのか調べてみました。

ここでは「ハローワーク」と転職サイト「リクナビネクスト」の2つの求人サイトで調べてみます。

2022年11月の時点では、

ハローワークの求人で「簿記3級」で検索した全国の求人数 4653件

三大都市圏の地域別では、
東京 589件
愛知 234件
大阪 408件

です。

けっこう多いですよね。

ハローワークのすべての求人票を確認したわけではないですが、簿記3級が「必須」という求人もありますが、「あれば尚可」という求人が多いです。

「あれば尚可」というのは、簿記3級を持っていれば選考の際に評価しますということです。

ということは簿記3級を持っていなくても採用されることもあります。

 

リクナビネクストの求人で「簿記3級」で検索した全国の求人数 367件

三大都市圏の地域別では、
東京 168件
愛知  33件
大阪  38件

です。

2つの求人サイトで求人数に差があります。

これはハローワークの求人掲載は無料で、リクナビネクストなどの転職サイトへの求人掲載は有料ですので、求人数は無料のハローワークの方が多くなります。

そのほかの転職サイトでも同じですが、応募の際に簿記3級を必須としている、または優遇している求人はそれなりに多いです。

ご自身の住んでいる「地域名」と「簿記3級」で検索して求人を探してみてください。

 

日商簿記3級は合格者数が多い検定です

日商簿記の試験は年3回の試験があります。

ここでは2022年に2回おこなわれた日商簿記3級の合格者数を見てみましょう。

試験日 実受験者数 合格者数 合格率
2022.6.12 36,654名 16,770名 45.8%
2022.2.27 44,218名 22,512名 50.9%

出典:簿記3級受験者データ 商工会議所の検定試験

日商簿記3級の合格率はだいたい5割程度で、合格者数も全国で1万人から2万人です。

上のサイトを見てもらうとわかりますが、以前は1度の試験で合格者数が4万人以上の時もありました。

さらにこの簿記検定は一度合格をすれば、取得した資格として履歴書にずっと記載することができます。

 

これはどういうことかというと…

合格者数が多いために、簿記3級が必要となる求人にも多くの資格取得者が応募してくる可能性があります。

簿記3級を持っている人はたくさんいるのですから、その中で競争になり、採用を勝ち取るのもむずかしくなります。

簿記3級を持っている人の中で、さらに有利になるために必要なのは「実務経験」か「年齢」です。

もちろん年齢は若い方が有利です。

日商簿記3級は実務経験のない年齢の若い人(20代前半までの人)が就職するときにアピールするための資格と言えます。

残念ですが、それ以外の方が持っていても転職ではあまり効力がないと思います。

 

基本的にどの業種や職種でも、選考の際には資格よりは実務経験がある人が優遇されます。

私の知り合いの方も実務経験をつむことを重視して、最初は正社員や派遣社員などにこだわらずに経理の実務が積める企業を選んで就職していました。

そこで数年、経験をつんでから、より条件や待遇の良いところへ転職するということをくり返していましたね。

資格を持っていなくても、仕事で必須でなければ資格は取得する必要ありません。

さらに難易度の高い簿記2級を取るという方法もありますが、資格は簿記3級で十分です。

比較的取得が簡単な簿記3級を取って、それで少しでも早く就職して実務経験を積むことが何よりも大事です。

以上になりますが、転職する際の参考にしてください。

「転職経験者のブログ」を書いている人

(やまよし おさむ)

東京のとある会社に勤務しています。
私自身もこれまで5度の転職経験がありますが、採用担当者の経験もあります。応募する側と採用する側の両方の経験がありますので、それを生かしてこのブログでは転職希望者に向けた情報を提供していきます。
更新中のⅹ(旧Twitter)は下からごらんください。

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