地方に住んでいる方の中には「東京へ出て仕事をしたい!」と考えている方もいると思います。
東京に行きたいと思う理由としては…
「地元にいてもやりたい仕事がないため」
「会社の給料は高くないしキャリアアップも十分にできないため」
「ただ単に東京で生活してみたい」
など東京に行きたい理由は人それぞれあると思います。
地方から東京へ上京するタイミングとしては、
「大学・短大・専門学校などに進学するとき」
「地方の大学・短大・専門学校などを卒業して就職するとき」
が多いですよね。
大学進学や就職などで上京するときは、親が引っ越し代や部屋代や家具や家電など、いろいろお金を出してくれることが多いです。
しかし社会人になると「東京に行くならお金は自分で何とかしろ!」と突き放されることもありますよね。
それに一度地方の会社に就職して、そこで生活の基盤ができてしまうと「仕事」や「生活する場所」を変えるのは大きな決断です。
「それでも東京へ行ってみたい!」と思ったときはどうしたらいいのか?
ここでは地方から東京へ転職する方法を紹介していきます。
東京へ行って仕事を探す方法
仕事をしている社会人が地方から東京へ行って仕事を探すには2通りあります。
それは、
・会社を退職して東京へ行ってから就職先を見つける
おすすめなのは「仕事をしながら東京へ行って転職先を見つける方法」です。
しかし状況によってはそれができない方もいますので「地元の会社を退職して東京で住むところを見つけてから就職先を見つける方法」も紹介していきます。
仕事をしながら東京へ行って転職先を見つける方法
おすすめなのは地方で仕事をつづけながら時間を見つけて転職活動をすることです。
この場合の転職活動の流れとしては、
1、在職中に東京の求人に応募する
2、面接の予定が入ったら東京へ行って面接を受ける
3、志望先の企業から内定が出たら承諾する
4、勤めている会社に退職する旨を伝える
5、東京の転職先の近くに部屋を借りる
6、転職先へ入社する
簡単に書くと、このような感じになります。
東京の求人の見つけ方
今はネットでいくらでも求人を探すことができます。
大手の転職サイトなどは東京をはじめとした首都圏の求人をメインに掲載していますので、それを見て東京の求人を探してみましょう。
スマホやパソコンを使ってグーグルで「転職サイト」と検索すれば「エン転職」「マイナビ転職」などが出てきます。
いくつかの転職サイトの求人を見て、そこから応募するようになります。
またハローワークを利用して東京の求人を検索することもできます。
今は全国のハローワークの求人をスマホやパソコンから閲覧することができるのですね。
地方のハローワークの求人検索用のパソコンからも東京の求人を閲覧できますし、求人に応募することも可能です。
ただ一部の求人情報は見ることができない場合もありますので、その場合は東京に行ったときに最寄りのハローワークに行って求人を閲覧してみましょう。
面接へ行くときに必要になる「交通費・宿泊費」
求人に応募して履歴書などを郵送して、書類選考に通れば次は面接です。
ネットを使ったWEB面接をおこなってくれれば自宅でも面接を受けることができますが、それもまだ一部の企業しか行なっていません。
そのため面接の予定が決まったら東京へ出向くことになります。
ここで必要になってくるのは交通費や宿泊費ですね。
地方から東京へ行くときには、その交通費だけでもけっこうかかります。
下の表は日本の各都市から東京までの片道の料金です。
高速バス | 新幹線 | 飛行機 | |
札幌~東京 | 9900 | 27960 | 31267 |
仙台~東京 | 2000 | 10890 | 17270 |
名古屋~東京 | 2000 | 11090 | – |
大阪~東京 | 2000 | 14450 | 26800 |
広島~東京 | 6000 | 19080 | 38600 |
福岡~東京 | 9300 | 22950 | 42287 |
(料金は航空会社や便や時期によって変わります)
(札幌~東京間の高速バスの欄はフェリー料金になります)
高速バスは飛行機や新幹線にくらべて料金が安いですが、バスに乗って長時間の移動になるために、それなりに疲れます。
東京へ行って面接を受けたら、また地元に帰ってくるため往復の料金が必要になりますし、面接があるたびに交通費がかかります。
ひとつの企業で面接が2~3回あったり、複数の求人に応募すればその分だけ交通費が必要になります。
そのため、面接は日帰りができてなるべく宿泊しないようにするとか、お金を節約するための計画を立てましょう(でも面接には遅刻しないように)。
東京に行ったときに2~3社の面接を受けることができるようにスケジュールを組むなどの工夫もしてみましょう(面接日時は会社次第となりますが)。
東京で宿泊するときはビジネスホテルやカプセルホテル、民泊やネットカフェなどを利用してもいいですね。
最近は完全個室のネットカフェも増えていますし、女性専用カプセルホテルやネットカフェもあります。
安い料金で宿泊ができますので調べてみてください。
企業によっては土曜日に面接をしてくれるところもありますし、遠方からくる応募者に配慮して面接回数を少なくしてくれる会社もあります。
しかし仕事を休んで面接に行くようになることもありますので、その時は有給休暇を使うようにしましょう。
引っ越し代と賃貸の初期費用にお金がかかる
志望先の企業の面接を受けて内定が出て入社することが決まったら、地元の勤めている企業の上司に退職することを伝えます。
退職を伝えた後も自分の仕事の引き継ぎなどがありますので、退職日はだいたい1か月後ぐらいになります。
その間にネットで東京の転職先の会社近くの賃貸物件(マンションやアパート)を探してみましょう。
東京の家賃相場はワンルーム・1K・1DKでだいたい7万円以上必要になってきますが、場所によって家賃も変わってきますし、都心から離れるごとに家賃も安くなっていきます。
そして賃貸を借りる時に問題なのが「初期費用」です。
賃貸のマンションやアパートを借りる時は、初月の家賃を払えばいいだけでなく「敷金」「礼金」「仲介手数料」などの初期費用もかかります。
例として、家賃が7万円で敷金2カ月、礼金1カ月のマンションを借りると、
敷金2カ月 | 140,000円 |
礼金1カ月 | 70,000円 |
前家賃(1か月分の家賃) | 70,000円 |
仲介手数料 | 70,000円 |
火災保険料 | 11,000円 |
鍵交換 | 15,000円 |
合計 | 376,000円 |
初期費用は合計で376,000円になります。
家賃7万円の部屋を借りる時は、家賃の5倍以上のお金が必要になってきます。
かなり大きな額になりますよね。
賃貸物件は敷金と礼金を合わせて0~4カ月分のところが多いです。
不動産屋によっては仲介手数料がかからないところもありますが…
マンションやアパートを借りる時は家賃の約5倍以上のお金は用意しておきましょう。
初期費用でお金がかかりますので、地方から東京へ転職するときにはしっかりお金を貯めておきたいですね。
住みたい部屋を見つけたら東京の不動産屋へ行って実際にマンションやアパートの物件をよく見てみましょう。
1件目で部屋を決めずにいくつか候補の部屋を見てまわってから決めることをおすすめします。
部屋は会社近くに借りてもいいですが、家賃が比較的安くて、朝の通勤でもそれほど電車が混まないような通いやすい地域を選んでもいいですね。
通勤ラッシュで毎日満員電車に乗るのも大変ですから。
おおよそですが東京の家賃の相場は、
山手線内>23区内>東京その他>神奈川、埼玉、千葉
となります。
東京都心を離れると家賃も安くなりますので、安い物件を探してみるのもおすすめです。
あとは保証人が必要になる物件もありますので、その辺もよく見ておきましょう。
また引っ越しは地域によって引っ越し代も変わってきます。
「価格.comの引っ越し見積もり」を利用して引っ越し業者を選んでみましょう。
会社を退職した後に東京へ行って就職先を見つける方法
仕事をしながら転職活動ができない方は、退職してから東京に行って仕事を探すのもひとつの手です。
この場合の転職活動の流れとしては、
1、勤めている会社を退職する
2、東京へ引越しをする
3、東京で仕事を探す
このようになります。
在職中の転職活動と違い、東京と地方を往復することもないので、交通費や宿泊費などはそれほどかかりません。
しかし東京に行ってからがけっこう大変です。
問題になるのは、
「マンションやアパートの賃貸物件が借りられるかどうか?」
「東京で仕事が見つかるのかどうか?」
という点です。
無職でマンションやアパートを借りることができるの?
まず東京に行く時点で仕事をやめているために「無職」になります。
無職になると賃貸物件を貸してくれない不動産屋も多くなりますが…
【HOMES】の「キーワードで絞り込む」に「求職中」と入れて検索してみると、2800件近くの物件が出てきました。
仕事を探している無職の方にも部屋を貸してくれる不動産屋は多いですね。
あとは東京都内の場所や家賃や間取りなどの条件を入れて物件を探してみましょう。
ただマンションやアパートの賃貸物件を借りる時は初期費用や保証人などが必要になります。
そのためのお金はしっかりためておくようにしたいですね。
そして部屋を借りることができても、即日入居可の物件でなければ入居までに1~2週間はかかることもありますから、そこも気をつけましょう。
またはマンスリーマンションを借りることもできます。
マンスリーは「月ごと」という意味で、短い期間だけ住むことを前提としたマンションやアパートのことです。
ここは無職の方でも部屋を借りることができますし、敷金や礼金などの初期費用がかからず保証人も必要ない物件も多いです(退去時に清掃代がかかります)。
部屋には冷蔵庫・テレビ・電子レンジ・洗濯機・ベットなどの家具や家電が置いてありますので、東京に出てきたときにはまずマンスリーマンションを利用してもいいですね。
ただ家賃は相場よりも割高ですので、求職中の間だけ住むようにして、就職して給料が入ってきたら賃貸物件に引っ越す方がいいでしょう。
シェアハウスもおすすめです。
こちらも敷金や礼金などはかからず保証人も不要で家具や家電付きの部屋が借りられます。
ほかの入居者と一緒に生活をするためキッチンやシャワー室やトイレなどは共有で、1~4人ぐらいの相部屋もあります。
最近はおしゃれなシャアハウスもたくさんありますので、「東京に出てきて人と触れ合いたい」「1人でいるのは寂しい」という方にはおすすめです。
東京で一人暮らしを始めたときの費用はどのくらいかかる?
東京に出てきて生活するにも結構なお金がかかります。
実際に一人暮らしで1カ月にどのくらいの生活費がかかるのか計算してみると、
家賃 | 70,000円 |
電気・ガス・水道代 | 10,000円 |
携帯代 | 10,000円 |
食費 | 30,000円 |
交通費 | 5,000円 |
日用品、娯楽費、その他 | 10,000円 |
合計 | 135,000円 |
生活費は1カ月で135,000円になります。
それぞれの費用を節約することもできますが、だいたいこのぐらいの金額が毎月かかるようになります。
「東京は物価が高い」というイメージもありますが、これは住む地域によっても変わりますので、すべてが高いわけではありません。
スーパーや100円ショップへ行くと食料品も安いため自炊をすれば食費もそれほどかからないですよ。
その上、転職活動をするとなれば東京都内を電車やバスで移動する交通費も計算に入れておかないといけません。
転職活動が長引くと、このお金も上限なくかかりますので気をつけましょう。
そのほかに冷蔵庫、電子レンジ、炊飯器、掃除機、洗濯機、テレビなどの家電やベッド、テーブル、イス、カーテンなども必要になってきます。
それぞれ購入すると金額は(アマゾン調べ)
冷蔵庫 | 20,000円 |
電子レンジ | 10,000円 |
炊飯器 | 10,000円 |
掃除機 | 5,000円 |
洗濯機 | 30,000円 |
テレビ | 25,000円 |
ベッド | 10,000円 |
テーブル | 5,000円 |
イス | 5,000円 |
カーテン | 3,000円 |
合計 | 123,000円 |
合計すると123,000円ぐらいかかります。
節約する場合は、
・テレビや電子レンジや冷蔵庫は必要なければ買わない
・洗濯機は近くのコインランドリーを使う
・ベッドを買わずに床に布団を敷いて寝る
・炊飯器は買わずにごはんは近くのお弁当屋で買ってくる
でも十分生活できますけどね。
最初は最低限必要なものだけそろえて、あとは就職後にそろえてもいいですね。
その他の生活用品としてトイレットペーパー、ティッシュペーパー、ごみ袋、ハンガー、洗剤、コップ、箸、食器、フライパン、鍋、歯ブラシ、歯磨き粉、シャンプー、ボディーソープ、タオル、などを合計すると12,000円ぐらいになります。
これらを合計して東京に出てきたときにかかる費用は(月7万円の家賃)
賃貸物件の初期費用 | 376,000円 |
家賃・生活費(1カ月分) | 135,000円 |
家電・家具などの生活必需品 | 123,000円 |
その他の日用品 | 12,000円 |
合計 | 646000円 |
合計すると646,000円になります(引っ越し代や東京への移動費は除く)。
かなり大きな金額になりますよね。
もちろんどこかを切り詰めて金額を少なくおさえることはできますが、それでも東京へ出てくるときにはお金がかかります。
そして転職活動もしないといけません。
転職先がいつ決まるかわかりませんので、最低でも家賃や生活費分は+2カ月分ぐらい用意しておいた方がいいでしょう。
そうなると 646000+135000×2=916,000
約100万円は準備しておきましょう。
親せきや友人など頼る人がいない状態で無職で東京に来るときは、本当にこのくらいのお金をためておいた方が安心できます。
一人暮らしを始める時は何かとお金を使うことが多いので、なるべく余裕をもってお金を貯めておきましょう。
そして東京へ来てちょっと落ち着いたら全力で転職活動を始めて転職先を決めてしまいましょう。
それがうまくいかなかったときはアルバイト先を見つけてはたらきながら転職活動を両立してもいいですね。
東京の生活はハードルが高い?
地方と比べて東京は求人数は圧倒的に多く、今は人手不足もあって正社員や非正規(派遣社員やパート・アルバイト)の仕事を問わず求人数も多くなっています。
20~30代前半ぐらいの年齢なら未経験でも正社員の仕事が見つかるはずです。
東京に行きたい理由として「やってみたい仕事がある」とか「特にやりたいことはないけど東京で暮らしてみたい」など人によっていろいろとあるでしょう。
どうしようか悩んでいるのなら、思い切って東京に出てみることをおすすめします。
今のままずっと悩んでいてあとで後悔するよりも、できるときに挑戦してみたほうがいいですよね。
「東京で暮らしてみたい」という希望があるのなら、東京に出てきて仕事を探したっていいのです。
一度東京で生活してみて「自分に合わない」と思ったら、また地元に帰ることもできるのですから。
また地元を離れて東京へ行くときには、それなりの「覚悟」も必要になってきます。
地元での仕事やこれまでの生活を捨てて、親や友人とも離れて自分ひとりで生活するようになります。
生活スタイルもこれまでとは大きく変わりますし、知り合いがいなければ話をする相手もいなくなります。
身の回りのことは何でも自分で解決しないといけなくなりますし、寂しさにも耐えられるたくましさも必要になってきます。
東京に行く前は不安だらけだと思います。
しかし移住して1~3カ月もすれば東京の生活になじんでしまう人がほとんどだと思います。
最初は戸惑うことも多いですが、そのうち普通に慣れてきてしまいます。
「東京は怖いところ」と思っている方も多いですが、治安が悪いところもそれほど多くないですし、犯罪に巻き込まれるようなことはめったにありません。
一人でいる寂しさは最初はつらいときもありますが、慣れてしまえば一人暮らしが快適に感じるほどです。
また親元を離れて一人暮らしをすることで価値観も大きく変わると思います。
「住む場所」と「生活スタイル」を変えるだけでも、いろんなことが見えてきて自分で考えるようになってきます。
外から見ていると東京は華やかで憧れの場所だったけど、いざ住んでみると以前とは違ったいろんな感想が出てくるはずです。
人生の中でそういう経験も必要ですよね。
以上ですが、地方から東京へ転職する際の参考にしてください。
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