「会社を辞めたいけど、上司や同僚に怒られそうだから退職を言い出せずにいる」という方もいると思います。
本当は会社を辞めたいけど、それを言い出す勇気が出てこないことはありますよね。
しかし「会社を辞めたい」と思いながら、毎日出勤するのはつらいですし、ゆううつな気持ちで仕事をしていてもストレスがたまるだけです。
すでに気持ちも決まっているのなら、はやく見切りをつけて退職を伝えた方がいいですよね。
ここでは退職を言い出せない方への「勇気を出して退職を伝える」ためのアドバイスをしていきます。
「会社を辞めたい」と上司に伝えるとどうなるの?
上司に退職することを伝えるには、多少の勇気がいります。
会社を辞めることを伝えれば「上司から怒られるのでは?」とか「職場の人間関係が悪くなる」ことが想像できてしまいます。
今までの職場の雰囲気が大きく変わってしまうことがわかるため、ためらってしまうのですね。
しかし悩んでいるだけでは、ただ時間が過ぎていくだけで何の解決にもなりません。
退職を伝える時は声が震えそうになるほど怖いですが、ここはバンジージャンプするときの勢いで言ってしまうのです。
もう退職する気持ちが固まっているのなら、ここは思い切って、会社を辞めたいことを上司に伝えてみましょう。
上司は部下の退職の申し出に慣れている
実際に退職したいことを伝えてみると…

えっ、そうなの?…わかりました。
という感じで、けっこうあっさりと認めてくれることも多いです。
退職を伝えたときは上司はおどろくかもしれませんが、怒られることはほとんどないと思います。
そして「辞める理由は何なのか?」とか「辞めた後はどうするのか?」ということは聞いてきます。
上司からすれば、退職を申し出てくる社員はそれなりにいるために対応の仕方にも慣れています。
ただ退職を伝える方は、退職を申し出る経験がほとんどないので緊張すると思います。
特に慎重な性格の方は、自分の本心をうまく言い出せないときもありますよね。
そんな時でも勇気を出して思い切って伝えてしまいましょう。
本当に辞めたいのであれば、勢いで言ってしまえばいいのです。
伝える時は本当に一瞬です。
それまでは緊張するかもしれませんが、言いたいことを言った後は肩の荷がおりて気持ちも楽になりますよ。
今までのゆううつな気持ちからも解放されます。
退職を引きとめられたときの対応
退職を伝えたときは、そのまま退職を承諾してくれることもありますし、引きとめてくれることもあります。
例えば、

今は会社も人手不足だし、もうしばらく仕事を続けてくれないかな?
と言われることがあります。
そう言われると、

ちょっと期待されているのかな?
と思って気持ちが揺らいでしまい、ことわることができなくなって、そのまま会社に居続けてしまう方もいますが…
自分で退職することを決めたのなら、上司の頼みもキッパリと断って自分の意思を貫きましょう。
特に次の転職先が決まっている時には、上司の要望を聞いて会社に居続けている場合ではありません。
転職先へスムーズに行けるように、やるべきことはしっかりとやって準備しましょう。
会社側にも退職してもらいたくない事情はありますが、本人にも会社を辞めたい事情はあります。
そのどちらを優先するかですね。
退職する人が会社のことを考える必要はない
会社を辞めれば、一緒に働いていた上司や同僚に迷惑をかけることもあります。
そのため責任感が強い方は会社を辞めることへの罪悪感があるかもしれませんが…
しかし自分がいなくなった後は、ほかの社員が自分の仕事を引き継いでやってくれます。
自分がいなくなっても会社は普通にまわっていきますので心配する必要はありません。
しかし、上司の中には、

今は人手不足だから辞められると困る

あなたがやめても後任の人がいないから、今は退職できない
と引きとめられることもあります。
でもそれは会社をやめる従業員が心配することではなく、上司が考えることです。
退職する人がそのことを考える必要などないのですね。
そのような理由で引きとめられたとしても、就業規則に従って期限内に退職することはできます。
自分の将来のことを優先して考える
今はもう、定年になるまで会社が従業員の面倒を見てくれる時代ではありません。
今後のことを考えたら、会社のことよりも自分の将来ことを真剣に考えましょう。
みんな会社のために働いているわけではなく、自分の生活を守るためにはたらいているのです。
退職するときには人に迷惑をかけることもありますが、退職すると決めたときは自分の気持ちを優先して行動しましょう。
辞めることを言い出すのが怖くて、そのまま何ヵ月も会社に居続ける人もいますが、区切りをつけようと思ったら、思い切って自分の意思を上司に伝えてみましょう。
退職を申し出る時のタイミングや伝え方
会社を辞める時には自分の直属の上司に「会社を辞めたいです」と伝えるようにしましょう。
ただ勤務時間中は、ほかの同僚も働いていて人目もあるので退職を言い出しづらいと思います。
そんなときは出勤時やお昼休みや退社するときの、ほかに人があまりいない時や仕事がいそがしくない時間帯に伝えてみましょう。
退職の伝え方として、まずは自分の上司に、

すみません、お話したいことがあるのですが、少しお時間をいただけませんか?
と言いましょう。

今ここで言ってください。
と言われたら、その場で伝えましょう。

勤務時間後でもいい?
と言われたら、その時に伝えましょう。
そして伝え方としては、

大変申し訳ないのですが、一身上の都合で〇月の末で会社を退職させてください
と言いましょう。
上司も突然そう言われると驚いたり引きとめたりもしてくれますが、おおむね退職することを了承してくれます。
退職理由は「一身上の都合」にする
退職理由に関しては「一身上の都合」で通していいと思います。
それでも退職理由を聞きたいという時には、
「家庭の事情で(家族の介護など)辞めたい」
「次の転職先が決まりましたので辞めたい」
「仕事がつらいので辞めたい」
と言っておきましょう。
退職理由を正直に言ってもいいですし、言いたくないときはほかの理由を伝えてもいいと思います。
上司が退職理由をこまかく調べることはありませんし、退職理由がウソだったとしても法的に訴えられることはありません。
辞めてしまえば、もう会社とも関係がなくなるので、どんな理由でも特に支障はありません。
「就業規則」は読んでおきましょう
上司に退職を伝える前に会社の「就業規則」は読んでおきましょう。
就業規則には会社を退職する際の約束事が書かれていますので、しっかり確認しておいてください。
退職を希望するときには、退職したい日の1カ月以上前に上司に報告するなどの決め事があります。
会社にもよりますが、退職日の1~2カ月前に伝えるところが多いです。
法律の上では、上司に退職を伝えてから2週間で退職することができます。
しかし自分の仕事の引き継ぎをしたり、有給休暇の消化をして円満退職をしたいのなら、就業規則に従って退職することをおすすめします。
正社員や派遣社員や契約社員だけでなく、パート・アルバイトの職場にも就業規則はありますので、退職する際にはしっかり読んでおきましょう。
また残りの有給休暇がどのくらい残っているのかを確認して、退職を伝えた後に有給休暇を使って退職するようにしましょう。
退職願・退職届を提出する
退職する際には「退職願」もしくは「退職届」を作成して上司に渡しておきます。
これは労働者が会社もしくは経営者に対して退職意思を表明する書類です。
法律では口頭で退職を伝えれば有効になりますが、あとでもめないように書面として提出した方が確実です。
上司に退職を申し出て、退職が認められたら、次は「退職願」もしくは「退職届」を作成して提出するようにしましょう。
「退職願」や「退職届」の作り方はネットに載っていますので、そちらを参考にしてください。
「退職願」と「退職届」の違いを簡単に説明すると、
「退職願」…会社に退職を願い出て承諾されたのちに退職が決定する
「退職届」…会社に退職を通告する書式で、提出後は退職を撤回することができない
となります。
会社側と労働者の双方で退職の話し合いがすんでいれば、どちらで書いてもかまいません。
退職を伝えた後は気まずい雰囲気になる?
上司に退職することを伝えた後は「自分が会社を辞める」という情報が職場内にも広がっていきます。

〇〇さん、会社辞めちゃうの?
と声をかけられることもありますが、そんな時でもいつも通りに仕事をしましょう。
職場の同僚はいつものように接してくれると思いますが、辞める方としては多少は居心地が悪くなります。
辞めてしまう人に対してそっけない態度をとるもいますが、それも仕方がありません。
職場であたらしい仕事もすることはなくなり、自分の仕事の引き継ぎが終わったらやることがなくなってしまうこともあるでしょう。
そんな時は上司と話し合いをして退職日まで残りの有給休暇を使って休みを取ります。
会社を辞めても後悔はしない?
ここまで退職に関しての説明をしてきましたが、退職を決断する前に「本当に辞めていいのか?」をよく考えておきましょう。
基本的にどの職場も仕事は大変ですし、人間関係がかならず良好というわけではないと思います。
働いていると会社や職場のイヤな部分ばかり見えてしまいますが、反対に良い部分もあると思います。
そうした点もよくふまえて「本当に退職していいのかどうか?」をもう一度よく考えてみてください。
退職してから後悔しないようにしましょう。
退職の仕方のまとめ
退職するときの手順を紹介するとこうなります。
↓
退職したい旨を直属の上司へ伝える
↓
会社側が退職を承諾する
↓
退職日を決める
↓
「退職願・退職届」の提出
↓
残務処理や仕事の引き継ぎや有給休暇の消化をおこなう
↓
会社から貸与されていたものを返却する(名刺、制服、パソコン、携帯電話、健康保険証など)
↓
退職日に退職する
となります。
退職の際に会社ともめたときの対応の仕方
上司に退職したいことを申し出たときに、退職をしぶって承諾してくれない会社もあります。
例えば退職を伝えたときに、
「もう2~3カ月ぐらい仕事をしてくれない?」
「今はウチに人いないのわかるでしょ?状況を考えてよ!」
「退職したい?辞められるわけないだろ!」
など退職を拒否されてしまうこともあります。
こんなことを言われると困りますよね。
そんなときはどうするか?
退職に関する相談をする
基本的に会社に退職を申し出てすぐに辞めることはできませんが、労働者には会社を退職できる権利があります。
職場の状況や上司の言い分に合わせて退職日を遅らせる必要はないのですね。
最初は上司に退職する意思があることを伝えましょう。
それが受け入れてもらえないときはどうするか?
そのときは各都道府県に設置されている「総合労働相談コーナー」に相談してみましょう。
こちらでは職場のトラブルに関する相談を無料で秘密厳守で対応してくれます。
気軽に相談に乗ってもらえますので、もし何かあった時には利用してみてください。
または「法テラス(日本司法支援センター)」に相談してみましょう。
法テラスは国が設立した法的トラブル解決のための「総合案内所」です。
ここでは退職に関しての法律相談を無料で受け付けています。
ただ携帯電話からの相談は20秒10円程度(税別)の通信料金はかかります。
以上になりますが、退職する際の参考にしてください。
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