「サイレントお祈り」がなくならない理由について

転職活動の採用選考の際に「サイレントお祈り」をされた応募者の方もいると思います。

「サイレントお祈り」とは「サイレント=連絡のない」「お祈り=不合格通知」ということです。

「〇日までに合格者には連絡をしますが、それまでに連絡がない方は不合格となります」という意味ですね。

 

応募者には不評のサイレントお祈りですが、こうした方法を取る企業側にも理由があります。

その理由を説明していきます。

 

なぜ「サイレントお祈り」をするのか?

面接の時に

面接官
面接官

合格者には1週間以内に連絡が行きますが、連絡がなかったら不合格と思ってください

と言われることもあります。

転職活動をがんばってきた人に対して無言で落とすのは思いやりのない方法だと思います。

 

本来は書類選考や面接を受けた応募者全員に「合格か不合格か?」を伝えたほうがいいのです。

しかしあまりに応募者が多くなるとそうも言っていられません。

 

企業によっては人事担当の人間もそんなに多くはないですし、合格者への対応で手いっぱいという場合もあります。

さらにそれぞれの連絡方法でも問題があるのです。

 

電話で不合格を伝える場合

不合格の連絡を受けることは、応募者本人としてはつらいものがあります。

しかしその連絡をする方も気が進まないものです。

 

不合格になった応募者に電話で結果を伝える企業もありますが、不合格者が多いと、その分だけ手間もかかります。

電話代はそれほどお金はかかりませんが、それでも電話をかける人数が多くなれば時間がけっこうかかります。

 

さらに結果を伝えるだけではすまない場合もあります。

電話をかけて、

面接官
面接官

面接の結果ですが…残念ですが、不合格となりました

応募者
応募者

そうですか、わかりました(電話を切る)

と、こんなにものわかりのいい応募者ばかりではありません。

結果を受け止めて納得してくれる人もいますが、人それぞれ反応は違います。

 

中には「不合格なの?私のどこがいけなかったのか言ってください!」など不合格になった理由をとことん追及してくる人もいます。

または「おたくの会社の悪評をばらまいてやるからな」とか言われたら担当者もイヤですよね。

 

不合格の連絡に納得してくれずに連絡に時間がかかったり、結果を伝えることで相手の怒りを助長させてしまうこともあるのです。

 

それに「電話が来たから合格かと思ったよ…」と『電話が来た=合格』と思っている人も多いのです。

電話で不合格を告げると急に元気がなくす人もいますのでむずかしいところですね。

 

「結果を知らせる」ことは確かに大切なことなのですが、それで相手を怒らせたりよけいに不愉快にさせることもあるのです。

そういうこともあって「不合格者には連絡しない」という企業もあるのですね。

 

メールで不合格を伝える場合

メールで不合格を伝える時には、定型文を本文に貼って送信するだけで済みますので、そうしている企業も多いでしょう。

 

定型文には「今後のあなたの就職活動がうまくいくよう心からお祈り申し上げます」といった文章が入っていることもあります。

そのため不合格を伝えるメールは「お祈りメール」とも言われています。

 

しかし「サイレントお祈り」よりは結果を伝えるメールを送ったほうがいいのではと思います。

メールで伝える時は応募者のメールアドレスを打ち込む必要もあるために手間がかかります。

そのため「サイレントお祈り」を選ぶ企業もあるでしょう。

 

郵送で不合格を伝える場合

不合格通知の用紙を作成し、封筒に入れて郵送する場合もあります。

企業によっては不合格通知と一緒に応募者の履歴書を封筒に入れて送ってくるところもありますね。

 

これも応募者が多くて不合格者がたくさんいると、それなりの人手とお金がかかります。

まず封筒に入れて郵送するときには「封筒代」と「切手代(82円)」がかかります。

 

切手代だけでも100人いれば、100×82=8200円もするのです。

その費用を負担したくないと思う企業もあるでしょう。

 

そのため履歴書を郵送するときに「封筒には返信用封筒と切手代を入れて郵送してください」と求人の募集要項に書いている企業もあります。

これは封筒代や切手代を応募者に負担してもらうだけでなく、封筒の書き間違えや書く手間をなくすためでもあります。

 

さらに応募者が多くなると返信用封筒に入れる履歴書や、合格・不合格通知の入れ間違えなども起きやすくなります。

そうしたリスクを避けるために履歴書などは企業側で処分して結果も郵送しないという企業もあるのです。

 

転職の「サイレントお祈り」は確かに失礼ですが

私はサイレントお祈りをする企業もそれぞれ事情があるので仕方がないと思っています。

採用人数5人のところに応募者が10人だったら、不合格になる人は5人ですから不合格通知を出しても負担にはなりません。

 

しかし採用人数5人のところに100人も応募が来たら、不合格になる人は95人もいます。

これだけの人数になるとお金も人手もかかりますので不合格者への連絡をどうするか考えますよね。

 

「サイレントお祈り」の評判はよくないですが、応募数が多ければ企業も対応しきれなくなるのです。

失礼な通知の仕方だと思いますが、応募する方にもご理解いただけたらと思います。

 

個人的には、「サイレントお祈り」だと伝えてくれる企業の方がまだマシだと思います。

約束の期日までに連絡が来なかったら不合格だと分かりますからね。

 

中には「1週間以内に面接の結果の連絡をします」と言っておきながら、1週間が過ぎても連絡がないこともあります。

「期日を過ぎても連絡がこないってことはサイレントお祈りなのかな?」と不安になってしまいますよね。

そして1週間以上たってから不採用の連絡がきたり、またはそのまま何も連絡がなかったり。

 

このようになる理由は合格者の中には、次回の面接を辞退したり、内定を辞退する人も出てきます。

そのため合格ラインに達していない人の返事を出さずに保留にしておいて、合格者に辞退する人が出たら、今度は保留していた人の中から合格者を出すのです。

そのために結果が遅れるなどの対応の悪い企業も出てきてしまうのです。

 

面接の時には、

「面接結果の連絡がいつになるのか?」

「どんな方法で教えてもらえるのか?」

を聞いておきましょう。

 

面接の時に説明してくれる担当者もいますが、何も言ってくれない人もいますので、説明がないときには聞いておきましょう。

そして「1週間後に電話します」といわれて、1週間たって何も連絡がなかったら問い合わせてみましょう。

ずっと期待して返事を待つのも疲れますので、そのへんはしっかりさせておきたいですね。

「転職経験者のブログ」を書いている人

(やまよし おさむ)

東京のとある会社に勤務しています。
私自身もこれまで5度の転職経験がありますが、採用担当者の経験もあります。応募する側と採用する側の両方の経験がありますので、それを生かしてこのブログでは転職希望者に向けた情報を提供していきます。
更新中のⅹ(旧Twitter)は下からごらんください。

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