転職活動で気になる求人を見つけたけど、雇用契約は契約社員ということもあります。
「本当は正社員を希望しているけど、見つけた契約社員の求人の待遇もそれほど悪くないから迷う」ということもありますよね。
そして契約社員の求人に応募して内定がもらえたときはどうしたらいいのか?
ここでは正社員と契約社員の違いと、求職者が契約社員の求人を選ぶ際のポイントなどを説明していきます。
契約社員を選ぶときの2つの条件
正社員とくらべて、契約社員へのイメージというのはあまりよくありません。
「契約期間があるため雇用が安定していない」とか「給料が安い」などといわれて、契約社員への転職をすすめる人は多くないと思います。
しかし契約社員と言っても、企業によって条件や待遇などもまったく違います。
中には条件や待遇の良い求人もあります。
私が「契約社員として転職してもいい」と思える条件をあげてみますと、
・他社へ転職できるスキルが身につく
という点です。
上の2つのどちらか一方でもいいのですが、両方そろっているとよりいいですね。
もちろん契約社員の求人の中には、正社員よりも給料が低くてスキルなど身につかない仕事の担当という場合もあります。
実際にところ、そういう求人が多いでしょう。
しかし中には正社員よりも待遇が良く、正社員と同等の待遇で仕事ができてスキルが身につく職場もあるのです。
そうした職場なら契約社員として転職することを考えてみてもいいですね。
正社員と契約社員の待遇差は禁止になりました
2021年4月から「パートタイム・有期雇用労働法」が大企業だけでなく中小企業でも施行されるようになりました(出典:政府広報オンライン 2021年4月1日からパートタイム・有期雇用労働法が中小企業も適用に)。
この法改正でポイントになるのは「同一労働同一賃金」です。
「同一労働同一賃金」は、同じ会社で仕事をする正社員とパートタイムや有期雇用労働者(契約社員や派遣社員)の待遇や賃金格差をなくしていこうというものです。
待遇の差が禁止される項目としては、
・基本給
・賞与
・手当(役職手当、業務手当、通勤手当など)
・福利厚生や教育訓練
・職務内容
などです。
これらで不合理な待遇差を設けることは禁止になりました。
例えば、契約社員や派遣社員やアルバイト・パートには賞与(ボーナス)などは払われないことが多いです。
これも待遇の差があるとして、正社員と同じく賞与を支払うことが義務付けられます。
ほかにも契約社員に交通費が支払われなかったり、社員食堂が利用できないなどの待遇差はなくしていくことになります。
さらにパートタイムや有期雇用労働者は入社する際に、正社員との「待遇差の内容や理由」などについて、企業側に説明を求めることができるようになりました。
そして企業側はそれに対して説明する義務が生じます。
契約社員として入社する際には、正社員との待遇差の内容や理由について質問してみましょう。
そしてそれに明確な理由を答えられない企業や待遇などに不満があるときには、都道府県労働局の雇用環境・均等室に相談してみてください。
企業側の対応に不信感を持ったときには「本当に転職していいのか?」をよく考えてみた方がいいですね。
法改正によって正社員と契約社員の待遇差は禁止となり、双方の違いは無期雇用か有期雇用かの違いとなりました。
厳密には企業によってそれぞれ契約社員の待遇は違うと思いますが、以前よりも契約社員の待遇は上がったのです。
これは大きな一歩ですし、これによって契約社員を選ぶ求職者も多くなるでしょう。
転職することを前提に自分の将来設計を考える
これまで日本では「ひとつの会社で長く働き続けること」が重視されてきました。
正社員として企業に就職して長く働くことを希望する求職者も多いです。
しかし今は正社員として就職しても給料が低くてあまり上がらず、業務量や残業が多いなどの労働環境があまりよくない企業も多いです。
そうした影響もあって、多様な働き方が認められるようになってきました。
今はひとつの企業にこだわるのではなく、転職することを前提としたキャリアの積み方をしている方も多いです。
現在の職場よりも給料や待遇や雇用条件がいい求人を見つけたら、応募してそちらに転職することが当たり前になってきました。
もちろん転職に成功するには業務経験やスキルなどが必要になりますが、そうした経験を積み重ねながら自分を売り込んで年収やスキルをアップさせていく人はけっこういらっしゃいます。
もう正社員とか契約社員などの雇用形態は関係なく、転職先に貢献できる業務経験やスキルがあることが重視されるのですね。
年齢が若くて未経験の時は、まずは今後長く働きたいと思える業種や職種の契約社員で働き、経験を積んでから正社員へ転職もおすすめです。
雇用形態は重要ではない
ひとつの会社に居座らずに常に待遇の良い職場への転職を考えていれば、無期雇用とか有期雇用とかは関係ありません。
契約社員は契約期間がある有期雇用ですが、契約社員として2~3年はたらいてから次の職場へ転職するのなら無理に正社員でなくてもいいのです。
さらに年収が高くてスキルが身につくのなら言うことはないですよね。
転職する際も契約社員として「どんな仕事をしてきて」「自分は何ができるのか?」などを具体的に説明できれば不利になることはありません。
企業にもよりますが、今の時代は正社員として働いていても大きな年収アップは望めません。
正社員は簡単に解雇はされないですが、解雇ができないために企業側も賃金のコストがかかる大きな給与アップは怖くてできないのです。
会社員が年収を上げるためには転職することが一番現実的ですが、条件や待遇の良い契約社員の求人があったら検討してみる価値はあります。
スキルアップや副業をする
そうはいっても正社員よりも待遇の低い契約社員の方も多いと思います。
給料が低かったり、スキルの上がらない簡単な業務しか任せてもらえないということもあるでしょう。
そんな時は会社の業務が終わった後の時間を有効に使って自分で対策を立てましょう。
実際に私の知り合いにも業務が簡単で負担がなく、定時で帰れる会社に契約社員として就職して、帰宅後に資格や英語の勉強をしたり副業をしている人もいます。
帰宅後に勉強や仕事をするのは大変かもしれませんが、そうやってがんばっている人もいるのですね。
会社でスキルアップができないのなら、会社任せにせずに自分で考えて自分で行動を起こすのです。
たとえ1~2時間でもそうした時間をつくることができて、毎日継続できれば大きな力になります。
それで年収がアップする転職先を見つけたり、会社以外の収入源をつくって生活を安定させればいいのです。
勉強や副業をするにしても時間は限られていますので、自分の時間やエネルギーをどこにつぎ込んでどうなりたいのかはよく考えてみましょう。
契約社員でもいくらでも道は開けますので、自分の将来設計をよく考えていきたいですね。
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