「日本の従業員の平均賃金は30年間、ほとんど変わっていない」と言われています。
実際に「年収はほとんど横ばいで上がっていない」と感じている方も多いですよね。
では「現在の日本の従業員の平均年収は、ほかの国とくらべて高いのか?低いのか?」気になりませんか?
実際に調べてみました。
参考にした資料はリクルートワークス研究所の「5カ国リレーション調査」です。
この調査は2019年12月におこなわれたものです。
ここでは、
アメリカ: ニューヨーク…624名
フランス: パリ…624名
中国: 上海…629名
の4カ国(4つの地域・都市)の民間企業で働く大卒以上の30~40代の男女620名ほどの年収を調査しています。
5カ国中、デンマークは回答者数が少なかったのでデンマークは除き、上の4カ国の調査結果を紹介していきます。
また下は、これから紹介する表の用語の説明です。
用語 | 定義 |
無期雇用 | 雇用契約期間に定めのない人(正社員・フルタイム) |
有期雇用 | 雇用契約期間に定めのある人(派遣・契約社員、パート・アルバイトなど) |
エンゲージメント人材 | 「仕事にのめりこんでいる」かつ「会社の経営理念に共感している」人 |
一般人材 | エンゲージメント人材ではない人 |
では最初に日本の従業員の年収から見ていきましょう。
日本の従業員の年収
(nの行は人数、年収の数字は%です。日本全体=無期雇用+有期雇用=エンゲージメント人材+一般人材となります。)
年収 | 日本全体 | 無期雇用 | 有期雇用 | エンゲージメント人材 | 一般人材 |
n | 621 | 395 | 226 | 63 | 558 |
100万円未満 | 2.4 | 1.3 | 4.4 | 0.0 | 2.7 |
100~200万円 | 14.7 | 9.9 | 23.0 | 11.1 | 15.1 |
300~400万円 | 17.7 | 17.2 | 18.6 | 9.5 | 18.6 |
400~500万円 | 16.6 | 18.7 | 12.8 | 11.1 | 17.2 |
500~600万円 | 18.0 | 17.5 | 19.0 | 19.0 | 17.9 |
600~700万円 | 8.1 | 8.6 | 7.1 | 12.7 | 7.5 |
700~800万円 | 6.9 | 7.8 | 5.3 | 9.5 | 6.6 |
800~900万円 | 6.0 | 5.6 | 6.6 | 12.7 | 5.2 |
900~1000万円 | 2.7 | 3.3 | 1.8 | 3.2 | 2.7 |
1000万円以上 | 6.9 | 10.1 | 1.3 | 11.1 | 6.5 |
平均値 | 514.7万円 | 566.1万円 | 424.9万円 | 613.4万円 | 503.6万円 |
中央値 | 480.0万円 | 500.0万円 | 400.0万円 | 590.0万円 | 450.0万円 |
日本(東京、埼玉、千葉、神奈川)の平均年収は514.7万円です。
日本全体で見ると、年収は100万円~600万円の層が多いですね。
日本の特徴は無期雇用(566.1万円)の方が有期雇用(424.9万円)よりも年収が高く、その差は141.2万円もあります。
しかし数字を見ると、日本の都心部の有期雇用と無期雇用の年収差は、それほど大きく差が開いているわけではありません。
ただ年収1000万円以上の有期雇用(1.3%)と無期雇用(10.1%)の違いが平均の数字に影響しているように思えます。
また日本のエンゲージメント人材は621人中で63人しかいません。
「仕事にのめりこんでいる」かつ「会社の経営理念に共感している」というエンゲージメント人材は少ないですね。
アメリカの従業員の年収
アメリカの年収は、資料では3万ドル~30万ドルで表を作成してあります。
2020年11月は、1ドル=105円ぐらいですので、アメリカの従業員の年収を円に換算すると、下の「315万円~3150万円」の表になります。
(nの行は人数、年収の数字は%です。米国全体=無期雇用+有期雇用=エンゲージメント人材+一般人材となります。)
年収 | 米国全体 | 無期雇用 | 有期雇用 | エンゲージメント人材 | 一般人材 |
n | 624 | 113 | 511 | 364 | 260 |
315万円未満 | 7.1 | 10.6 | 6.3 | 6.0 | 8.5 |
315~525万円 | 12.7 | 15.0 | 12.1 | 11.3 | 14.6 |
525~735万円 | 17.3 | 21.2 | 16.4 | 17.0 | 17.7 |
735~945万円 | 17.9 | 18.6 | 17.8 | 14.8 | 22.3 |
945~1155万円 | 13.6 | 13.3 | 13.7 | 13.2 | 14.2 |
1155~1575万円 | 17.0 | 8.8 | 18.8 | 21.7 | 10.4 |
1575~2100万円 | 8.2 | 6.2 | 8.6 | 9.6 | 6.2 |
2100~2625万円 | 3.0 | 3.5 | 2.9 | 3.6 | 2.3 |
2625~3150万円 | 1.3 | 0.9 | 1.4 | 0.8 | 1.9 |
3150万円以上 | 1.9 | 1.8 | 2.0 | 1.9 | 1.9 |
平均値 | 1079.9万円 | 947.2万円 | 1109.2万円 | 1151.1万円 | 980.2万円 |
中央値 | 882万円 | 787.5万円 | 934.5万円 | 997.5万円 | 787.5万円 |
アメリカ(ニューヨーク)の従業員の平均年収は1079.9万円です。
ニューヨークに住んでいる人は年収が高いですね!
日本(東京、埼玉、千葉、神奈川)の平均年収が514.7万円ですので、ニューヨークは一都三県の2倍ぐらいの年収になります。
アメリカ(ニューヨーク)全体で見ると、年収は315万円~1575万円の層が多いです。
アメリカの都市部は住居費や物価も高いので出費も多くなりますが、それでも円に換算すると、平均年収が4ケタです。
会社の経営者ではなく、従業員で年収3000万円以上の人もいるのですから驚きです。
そして、日本とは反対に、平均年収は無期雇用(947.2万円)よりも有期雇用(1109.2万円)の方が高いです。
フランスの従業員の年収
フランスの年収は、資料では1万ユーロ~10万ユーロで表を作成してあります。
2020年11月は、1ユーロ=122円ぐらいですので、フランスの従業員の年収を円に換算すると、下の「122万円~1220万円」の表になります。
(nの行は人数、年収の数字は%です。仏国全体=無期雇用+有期雇用=エンゲージメント人材+一般人材となります。)
年収 | 仏国全体 | 無期雇用 | 有期雇用 | エンゲージメント人材 | 一般人材 |
n | 624 | 304 | 320 | 286 | 338 |
122万円未満 | 11.2 | 9.5 | 12.8 | 11.9 | 10.7 |
122~244万円 | 2.7 | 3.5 | 2.5 | 2.1 | 3.3 |
244~366万円 | 12.3 | 16.4 | 8.4 | 12.2 | 12.4 |
366~488万円 | 16.2 | 18.1 | 14.4 | 12.9 | 18.9 |
488~610万円 | 11.5 | 13.8 | 9.4 | 10.1 | 12.7 |
610~732万円 | 10.1 | 11.2 | 9.1 | 12.2 | 8.3 |
732~854万円 | 11.7 | 8.9 | 14.4 | 12.9 | 10.7 |
854~976万円 | 12.3 | 8.2 | 16.3 | 14.0 | 10.9 |
976~1098万円 | 4.5 | 3.3 | 5.6 | 4.5 | 4.4 |
1098~1220万円 | 3.8 | 3.0 | 4.7 | 3.8 | 3.8 |
1220万円以上 | 3.5 | 4.6 | 2.5 | 3.1 | 3.8 |
平均値 | 619.2万円 | 600.2万円 | 637.4万円 | 643.0万円 | 608.9万円 |
中央値 | 585.6万円 | 512.4万円 | 671.0万円 | 628.3万円 | 549.0万円 |
フランス(パリ)の従業員の平均年収は619.2万円です。
日本(東京、埼玉、千葉、神奈川)の平均年収が514.7万円ですので、パリは一都三県よりも平均年収は100万円以上も高いです。
フランス(パリ)全体では、年収が244万円~976万円の層が多いですね。
そして日本とは反対に、平均年収は無期雇用(600.2万円)よりも有期雇用(637.4万円)の方が高いです。
フランスは有期雇用と無期雇用の平均年収の差が37.2万円で、日本(141.2万円)よりも差が小さいです。
さらにエンゲージメント人材(643.0万円)と一般人材(608.9万円)の差が34.1万円と、日本(109.8万円)よりも差が小さいのも特徴です。
これはフランスの権利を強く主張する国民性や労働協約の影響で差が小さいと思われます。
中国の従業員の年収
中国の年収は、資料では5万元~60万元で表を作成してあります。
2020年11月は、1元=15円ぐらいですので、中国の従業員の年収を円に換算すると、下の「75万円~900万円」の表になります。
(nの行は人数、年収の数字は%です。中国全体=無期雇用+有期雇用=エンゲージメント人材+一般人材となります。)
年収 | 中国全体 | 無期雇用 | 有期雇用 | エンゲージメント人材 | 一般人材 |
n | 629 | 60 | 569 | 390 | 239 |
75万円未満 | 6.0 | 20.0 | 4.6 | 5.9 | 6.3 |
75~150万円 | 14.6 | 26.7 | 13.4 | 7.9 | 22.5 |
150~225万円 | 14.0 | 16.7 | 13.7 | 14.1 | 13.8 |
225~300万円 | 14.6 | 6.7 | 15.5 | 15.1 | 13.8 |
300~375万円 | 9.1 | 6.7 | 9.3 | 9.7 | 7.9 |
375~450万円 | 6.7 | 5.0 | 6.9 | 6.9 | 6.3 |
450~525万円 | 5.2 | 5.0 | 5.3 | 6.9 | 2.5 |
525~600万円 | 3.8 | 1.7 | 4.0 | 3.8 | 3.8 |
600~675万円 | 2.2 | 1.7 | 2.3 | 2.3 | 2.1 |
675~750万円 | 4.6 | 3.3 | 4.7 | 6.4 | 1.7 |
750~825万円 | 1.6 | 5.0 | 1.2 | 2.3 | 0.4 |
825~900万円 | 6.2 | 1.7 | 6.7 | 5.9 | 6.7 |
900万円以上 | 11.3 | 0.0 | 12.5 | 12.6 | 9.2 |
平均値 | 446.7万円 | 270.2万円 | 465.3万円 | 484.7万円 | 384.7万円 |
中央値 | 330.0万円 | 172.5万円 | 345.0万円 | 375.0万円 | 270.0万円 |
中国(上海)の従業員の平均年収は446.7万円です。
日本(東京、埼玉、千葉、神奈川)の平均年収が514.7万円ですので、平均年収は上海よりも一都三県の方が高いです。
中国(上海)では、年収は75万円~300万円の層が多いですね。
そして日本とは違い、無期雇用(270.2万円)よりも有期雇用(465.3万円)の方が平均年収は高く、その差が190.5万円も開いています。
調べてみると、中国の労働契約は無期雇用を前提としておらず、有期雇用がほとんどです。
実際に無期雇用者は629人中60人と少なく、長期で同じ企業につとめるということがあまりないようですね。
また中国(上海)は、300万円以下の年収の人たちが全体の49.2%と約半数を占めています。
中国の大都市の上海でも、年収がそれほど高くない人たちが多いのがわかります。
しかし反対に年収900万円以上になると11.3%もおり、これは日本(9.6%)よりも多いのです。
中国は年収が低い人も多く貧富の差が大きいのですが、年収900万円以上の富裕層に関してはもはや日本よりも中国の方が多いのです。
4カ国の年収の比較からわかったこと
日本の平均年収の高さは4カ国中3番目
4カ国(地域・都市)の平均年収の高い順にならべてみます。
国名(地域・都市) | 平均年収 | |
1位 | アメリカ(ニューヨーク) | 1079.9万円 |
2位 | フランス(パリ) | 619.2万円 |
3位 | 日本(東京、埼玉、千葉、神奈川) | 514.7万円 |
4位 | 中国(上海) | 446.7万円 |
となります。
平均年収が一番高いのはアメリカ(ニューヨーク)の1079.9万円です。
日本(東京、埼玉、千葉、神奈川)の平均年収は514.7万円で、4カ国中3番目でになり、アメリカの半分ぐらいです。
少し前まで「日本はアメリカよりもお金持ち」なイメージもありましたが、今はもう逆転しています。
東京からニューヨークへ行くと物価や給与の違いにとまどうでしょうね。
また中国は経済成長率も高いので、中国(上海)の平均年収は今後も上がっていくことでしょう。
有期雇用より無期雇用の方が年収が高いのは日本だけ
下の表は有期雇用と無期雇用の平均年収です。
無期雇用とは、雇用契約期間に定めのない正社員・フルタイムのこと。
有期雇用とは、雇用契約期間に定めのある派遣社員、契約社員、パートタイム、アルバイトなど。
4カ国(地域・都市)の比較は下のようになります。
有期雇用 | 無期雇用 | |
日本(東京、埼玉、千葉、神奈川) | 424.9万円 | 566.1万円 |
アメリカ(ニューヨーク) | 1109.2万円 | 947.2万円 |
フランス(パリ) | 637.4万円 | 600.2万円 |
中国(上海) | 465.3万円 | 270.2万円 |
表を見ると、有期雇用よりも無期雇用の方が年収が高いのは日本だけです。
これが日本の特徴といえます。
日本では「正社員の方が給料が高く、派遣社員や契約社員やフリーターは給料が低い」というのが常識ですが、ほかの国では違うようです。
ほかの3カ国は無期雇用よりも有期雇用の方が年収が高いです。
特に中国は無期雇用(270.2万円)と有期雇用(465.3万円)は、かなりの差がついています。
以前の日本は企業で正社員として働き、勤務年数が多くなればその分だけ仕事の経験値も高くなり、それに合わせて年収も増えていきました。
しかし無期雇用(正社員)は簡単に解雇されることがありません。
その雇用の安定に安心してしまい、仕事に対する緊張感がなくなって企業に貢献しない人が増え、さらに年功序列で社員の年収が高くなっていきました。
そのため日本の企業は高コストの体質になって動きが鈍くなり、時代の変化に対応できなくなったといえます。
業種や職種にもよりますが、日本でも無期雇用(正社員)のメリットはなくなっていくと思います。
簡単にクビにならない安定した雇用は従業員にとっては魅力的ですが、クビにできないとなれば、企業も人の採用や賃金アップには慎重になってしまいます。
実際に東京、埼玉、千葉、神奈川の都市部の無期雇用と有期雇用の年収は、大きく差があるわけでもありません。
今後は日本も、雇用が安定している無期雇用の年収はそれほど変わらず、有期雇用の方がむしろ年収が高くなっていく可能性が高いです。
有期雇用より無期雇用の人数が多いのも日本の特徴
下の表は有期雇用と無期雇用の人数です。
有期雇用 | 無期雇用 | |
日本(東京、埼玉、千葉、神奈川) | 226人 | 395人 |
アメリカ(ニューヨーク) | 511人 | 113人 |
フランス(パリ) | 320人 | 304人 |
中国(上海) | 569人 | 60人 |
有期雇用と無期雇用の人数をくらべてみても、無期雇用(正社員)の方が多いのは日本だけです。
ほかのアメリカの中国などの経済大国は有期雇用の方が人数がかなり多いです。
実際にアメリカでは、雇用契約について毎年、使用者と労働者の間で話し合いをするのが一般的になっています。
その際に、従業員が給与などの待遇について使用者に交渉できるため、有期雇用でも年収が高くなるのです。
さらに転職市場の相場賃金も給与に反映されるため、市場評価の高い人材ほど高い給与となる傾向があります。
そのため転職するときもスキルに合った給与や条件の転職先を見つけることができます。
中国もそうですが、アメリカも有期雇用の方が年収が高く人数も多いです。
日本では正社員や派遣社員やフリーターが企業に賃金交渉することは、あまりありません。
賃金交渉をすれば職場の上司や同僚から不評を買う恐れがあるため、不満があっても交渉をすることはなかなかできないですよね。
日本はエンゲージメント人材が極端に少ない
また4カ国の「エンゲージメント人材」の人数を比較してみました。
エンゲージメント人材とは、「仕事にのめりこんでいる」かつ「会社の経営理念に共感している」人のことです。
それ以外は一般人材になります。
全体 | エンゲージメント人材 | 一般人材 | |
日本(東京、埼玉、千葉、神奈川) | 621人 | 63人 | 558人 |
アメリカ(ニューヨーク) | 624人 | 364人 | 260人 |
フランス(パリ) | 624人 | 286人 | 338人 |
中国(上海) | 629人 | 390人 | 239人 |
これはアンケートを取った際に「仕事にのめりこんでいる」かつ「会社の経営理念に共感している」にチェックを入れた人が、日本では621人中63人しかいなかったということです。
日本以外の、ほかの3カ国はエンゲージメント人材は多いですよね。
なぜこんな結果になるのか?
日本では「仕事にのめりこんでいる」という人は多いと思います。
しかし「会社の経営理念に共感している」というのは、「給与などの待遇」「仕事内容」「会社の将来性」などが従業員から評価されているかという点になります。
日本では「自分の会社の経営理念に共感している」という人は、多くはないのでしょう。
日本以外の3カ国にエンゲージメント人材が多いのは、「給与などの待遇」「仕事内容」「会社の将来性」などが従業員に評価されているということになります。
この点でも大きな違いがありますね。
まとめ
4カ国の年収の違いを見て分かったことは、
アメリカや中国など経済成長している国は「年収が高い有期雇用の従業員が多い」という点です。
有期雇用であれば、企業は必要なときに人を雇って、必要なくなれば契約終了できるなど、従業員の人数を調整できます。
そのため企業によけいなコストはかかりません。
また従業員にとっても、自分の実績やスキルを正当に評価してくれて、それに合う給与や待遇がもらえれば仕事にもやる気が出ます。
アメリカや中国に年収が高い有期雇用者が多く、さらにエンゲージメント人材が多いという結果は、そこで働く従業員の満足度も高いといえます。
逆に、正社員などの無期雇用者は、雇用が安定するその身分と引き換えに、給与は低いままになる傾向にあります。
日本で年収が高い正社員がたくさんいる企業は、経営が苦しいところも多いはずです。
特に感染症対策の影響で業績が悪くなった企業は、なおさらでしょう。
さらに在宅勤務で仕事ができるようになれば、企業もこれまでの従業員の雇い方を見直すところも出てきます。
在宅勤務で仕事ができることがわかれば、仕事があるときにできる人に頼んで報酬を払えばいいのですから。
仕事がないときに毎月の給料を従業員に支払う必要もなくなります。
今後は働き方改革などの影響で、日本の従来の雇用形態も大きく変わってアメリカや中国に近いかたちになる可能性もあります。
日本の平均賃金は30年間変わっていない
下の図のように、1990年から2020年までの30年は「日本は平均賃金がほとんど変わらない国」といわれてきました。
上の図の赤い線からもわかるように、1990年~2106年の日本の平均賃金は、ほぼ横ばいです。
1990年はG7諸国で日本の平均賃金は、アメリカに次ぐ2番目の高さでした。
その後カナダ、イギリス、ドイツ、フランスに抜かれて、2016年の時点では下から2番目になってしまいました。
世界を見ればアメリカのように年収1000万円を超える国がありますし、そうなると、世界の優秀な人がアメリカをめざすようになります。
当然、日本で生まれた優秀な人もアメリカをめざす人が多くなり、そうした人がいなくなれば、日本は徐々に貧しくなっていきます。
こうした事実をふまえて、今後のことを考えていかないといけないのです。
ここでは国ごとの年収の違いを見てきましたが、自分の将来設計などはしっかりと持つようにしたいですね。
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