新卒の就職活動で志望する企業から内定(もしくは内々定)をもらえたけど…
「当社から内定を出すので、他の企業は断ってください」
「入社承諾書を提出したのですから、もう就職活動はやめてください」
ということを就活生に伝えてくる企業もあります。
内定を出すその代わりに就職活動は終わりにする様に圧力をかけること。
こうしたことは世間では「オワハラ(就活終われハラスメント)」といわれて問題にもなっています。
企業から内定が出た時点で入社を決めて就職活動を終了するのなら、企業と就活生の双方にとって問題はないのですが。
内定が出た後も「まだ就職活動を続けたい」と考えている就活生にとっては、どうしていいか迷いますよね。
こんな時、就活生はどう対応したらいいのか?
その説明をしていきます。
内定承諾書を提出後も就活を続けることができる?
選考の最終面接で「ウチから内定が出たら就活はやめますか?」と質問されたり。
または内定が出たその場で内定承諾書や入社誓約書を書かされたり。
社員へのあいさつもさせられて、もう入社を断れないような状況をつくる企業もあるようです。
「もう内定承諾書も書いて提出してしまったし、もう入社を断ることもできないのかな…」
と思ってしまいますが、そんなことはありません。
内定承諾書や入社誓約書などの書類には法的拘束力はありません。
これらの書面の承諾書にサインをしたりハンコを押したをしたあとでも、内定を辞退することはできます。
企業は内定辞退者が出ないように手を打ってきますが、
就活生に対して指示や強要をしたり、就職活動を終了させる権利は企業にはありません。
就職活動は本人が納得いくまで自由におこなう権利があります。
企業から指示や強要があっても、それに従う必要はないということを知っておきましょう。
内定承諾書の提出を求められたときには?
最終面接の場で内定を告げられたときや、内定後の話し合いの場で内定承諾書の提出を求められることもあります。
「入社するの?しないの?」という判断を急にせまられても決断できないときもありますよね。
そんなときはどうするか?
内定承諾書のサインを強要されたときには、辞退するのなら、その場で断りましょう。
辞退することを伝えれば、採用担当者もそれ以上は何も言ってこないです。
どうしようか迷っている時には、
「家族と話し合いたいので、内定承諾書の提出はしばらく待ってもらえますか?」
と採用担当者にことわって、その場でサインせずに、いったん家に持ち帰って考える時間をつくりましょう。
返事は何日後かにしてもらうといいですね。
内定承諾書にサインしていなければ、その後の内定辞退も簡単にできます。
その場で内定を承諾するか辞退するかの決断を迫られたときは、いったん内定承諾書にサインをしておきましょう。
とりあえず入社候補としてキープしておくのです。
そして就活を続けて本命の企業への入社が決まったら、内定辞退の連絡をするという方法もあります。
しかし内定承諾書にサインした後の内定辞退は、企業から文句を言われることもあります。
そのときはしっかりと謝罪しておきましょう。
また「後でことわることができるから」と内定承諾書をむやみに提出するのはトラブルの元になるのでやめておきましょう。
内定承諾後は企業は入社に向けての準備を始めますので、内定辞退をするときはできるだけ早く辞退の連絡を入れるようにしたいですね。
ほかの企業を断るように強制されたときは?
「当社が内定を出しますので、他企業には断りの連絡を入れてもらえますか?」
と内定(内々定)が出ている企業や、選考中の企業に辞退する連絡をするように指示されることもあります。
これ自体がおかしな話ですが、この場合、イヤならことわりましょう。
断ればこの企業に入社はできませんが、こうした強引なやり方をする企業は気を付けたほうがいいです。
そして企業に対して、内定が出ている企業名や選考中の企業名などを正直に伝える必要はありません。
もちろん自分の本命の企業名など言う必要もありません。
エントリーシートに記入したり面接で伝える時も、こう言っては何ですが適当でもいいのです。
就活生の選考状況などは企業の採用担当者にバレることはないですし、そこまで調べることもないです。
ただ他企業を受けていないと「受けているのはウチの会社だけ?」と怪しまれます。
そんなときは志望度の低い企業に辞退する電話をして辞退を伝える方法もあります。
中には企業にことわりの電話をかけるふりをして友達に電話をかけて、ことわったふりをする方もいます。
自分でことわりの電話を入れるのなら、そうした演技もできますよね。
元々こうしたことを企業から強要されること自体がおかしいのです。
相手の無理強いに、まともに応じる必要もないのです。
しかし内定が欲しいときには、こうした対応も必要になってきます。
その他の「オワハラ」対策
「内定辞退したら今後はあなたの学校からは採用しないから」といって脅してくる企業もあるようです。
学校からの推薦で内定が決まったのなら影響があるかもしれませんが、内定の辞退はできます。
学校に影響がありそうなときは学校の就職課などに相談してみてください。
また内定後は企業が何度も「食事会」を開催し、焼肉やお寿司などの豪華な料理をごちそうしてくれたり、
あるいは企業の社員がやさしく接してくれて、心理的に内定辞退をさせない雰囲気づくりをするところもあります。
これも内定者をつなぎとめるための企業のやり方ですが、お世話になったとしてもことわるときはしっかりとことわりましょう。
そして強制参加の研修や懇親会を開き、他企業の面接を受けられないようにする企業もあります。
中には泊まり込みの研修を行う企業もあるようですが、他企業の面接を受ける予定があるのなら参加せずに断ることも必要です。
就職活動を続けることは言わなくてもいい
先ほども書きましたが、就活生の就職活動を終わらせる権限は企業にありません。
就職活動を続けるかどうかは本人の自由なのですね。
ただ中には内定先の企業の採用担当者に「今後も就職活動を続けてもいいですか?」と聞いてくる就活生もいます。
就職活動の継続を認めてもらいたい気持ちはわかります。
しかし、そんな質問をされた企業の採用担当者は面白くはないでしょう。
今後も就職活動を続けてより条件の良い企業を見つけたら内定を辞退して、そちらの企業に入社してしまう可能性もあるわけです。
採用担当者としては「どうぞ就活を続けてください!」なんて言えません。
ではどうするか?
内定をもらった後に就職活動を続けるのなら、誰にも言わずに黙ってやるのです。
内定を承諾した後も就活を続けることは違法ではありません。
在職中の転職活動もそうですが、みんな企業には内緒で転職活動をします。
そもそも企業は表立って転職活動を奨励していませんし、企業の人にバレたら社内での自分の立場も悪くなります。
みんなそれを承知で転職活動をしているのですね。
それと同じように新卒の就職活動でも内定先の企業には内緒にして、こっそりと就活を継続すればいいのです。
内定先の懇親会や内定式に出席したり、先輩社員と顔合わせしながらも、黙ってほかの企業の面接に行っている方もいます。
罪悪感を感じるかもしれませんが、そのぐらいのことをおこなう図太さがあってもいいのです。
後悔しない就職先を見つけるために
内定を承諾しておきながら裏では就職活動を続けて、ほかの企業の面接を受けに行くのは確かに失礼です。
しかし本人にとって就職活動は、大げさに言えば人生がかかっています。
入社して後悔しない就職先を見つけた方がいいのです。
企業から「オワハラ」を受けて嫌々入社したものの、1週間もしないうちに退職してしまう新入社員もいます。
こうなると就活に時間やお金をかけてきた就活生や企業の双方にとって不幸です。
こうしたすれ違いを少しでもなくすために、企業側は入社を強要するのではなく「内定辞退する人が出るのは仕方がない」という気持ちでのぞんだ方がいいのです。
企業から「オワハラ」の圧力もありますが、
結局、就活生が納得いくまで就活を続けて内定先を見つけたほうが、就活生にとっても企業にとっても良い結果になると思います。
内定辞退された企業はつらいですが、入社する気がないのなら、早く辞退してもらった方が企業のためにもなるのです。
就活生は内定を確保した状態で就活をして、もっといい企業から内定が出たら辞退したらいいと思います。
就活生と企業の双方に拒否権がありますからね。
ただ企業も当社に見合う人材かどうかを真剣に選んで内定者を決めています。
さらに入社が決まった後は、企業もお金をかけて入社への準備を始めます。
入社する前に内定辞退されると、これまで準備にかけた時間やお金も無駄になりますし、採用担当者も落胆してしまいます。
ですので軽い気持ちで辞退せず、ことわるときには誠意を持って対応してもらえればと思います。
納得がいかないのなら就活を続けるべきです。
「就活の時に、もっと続けておけばよかった…」とあとで後悔のないようにがんばってください。
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