新型コロナウイルスの全国の感染者数も徐々に減少して、外出の自粛や移動の制限なども段階的に緩和されるようになりました。
それにともなって「そろそろ転職活動をはじめようかな」と考えている方もいると思います。
または「まだ感染拡大する可能性があるので、転職活動を始めるのはコロナの影響が完全におさまってから」という方もいるでしょう。
このように「いつから転職活動を始めたらいいのか?」は判断に迷いますよね。
ここではその説明していきたいと思います。
2020年4月の転職市場はどうなっていたのか?
新型コロナウイルスは2020年1月下旬ぐらいからニュースで報道されるようになりました。
その後、日本国内でも感染者数が増えていき、4月はコロナウイルスの感染者数や死亡者数がピークをむかえました。
この時期に緊急事態宣言が発表されて不要な外出の自粛が要請されています。
このときの転職市場はどうなっていたのか?
5月18日にdodaが発表した「2020年4月の転職求人倍率」を参考に見てみると、
・求人数は前月の3月とくらべて89.5%(-10.5%)に減少
・転職希望者数は前月の3月とくらべて88.1%(-11.9%)に減少
とあります。
やはり3月とくらべて、4月は求人数も転職希望者数も減っているのがわかります。
コロナに感染しないために企業も人も積極的に自粛をおこなうようになりましたので仕方がないですよね。
そして求人数と転職希望者数の減少率をくらべてみると、
・求人数 89.5%(-10.5%)
・転職希望者数 88.1%(-11.9%)
となっています。
上の数字を見ると、求人数よりも転職希望者数の方が大きく減っているのがわかります。
新型コロナウイルスや緊急事態宣言の発表の影響で求人数は減りました。
しかし求人数以上に転職活動をする人の数が減っているのです。
転職希望者も、それまでおこなっていた転職活動を中断したり、転職活動の開始を延期した方が増えたためとみられます。
求人数も転職希望者数も両方が減っているのですが、減り幅は転職希望者数のほうが大きかったのですね。
転職活動はむずかしくなったのか?
仮に転職希望者数が減らず、求人数だけが減ってしまうと、転職活動はきびしくなります。
数が少なくなった求人に多くの転職希望者が集まってきますから、その分だけ競争も激しくなります。
しかし今回はそういう状況ではないのです。
求人数の減少以上に転職希望者数が減っているのです。
これはライバルの転職希望者も減っているのですから、転職が特にむずかしくなったわけではないのです。
むしろ転職希望者にとっては好機ともいえます。
転職希望者が大きく減ったため、「求人は出しているのに応募者が集まらない」となげく企業もあるでしょう。
一度冷え込んでしまった転職市場が以前のような通常の状態に戻るには何ヵ月か時間がかかると思います。
コロナの感染者数が減っても、「コロナの第2波が来るのでは?」とニュースでいわれています。
こうした状況では求人を出す企業も転職希望者も用心深くなり、回復にも時間がかかってしまいますよね。
転職活動を始めるタイミング
コロナの影響で転職活動ができなくなったわけではありません。
転職サイトを見ると求人は数多く掲載されていますし、ハローワークも開庁していて利用することができます。
企業も説明会や面接は対面ではなく、ZoomやSkypeなどのビデオ通話のアプリを利用している企業も多くなっています。
これらのアプリを使えば自宅にいて面接を受けることができますし、ほかの人との接触を避けて選考するような処置をとっているのですね。
このように自粛ムードの中でも活動している人や企業は多いです。
それに世の中の動きに合わせて行動していては、良い機会をのがしてしまうこともあります。
今後コロナが収束していき、以前のような社会活動がおこなわれるようになると、それにあわせて転職希望者も徐々に増えてきます。
それと同じタイミングで求人数も増えればいいのですが、おそらくうまくマッチングはしないでしょう。
転職希望者数が増えても求人数は増えないため、ひとつの求人に応募者が多く集まり、競争も激しくなります。
自粛が解除になれば「そろそろ転職活動をはじめようか」と、同じ考え方や同じ行動をする人たちも当然多くなります。
その結果、転職市場に人がひしめき合ってしまい、応募者が増えることで採用される確率も下がり、転職活動で苦戦してしまうことも予想されます。
もちろん「今はまだ転職をする時期ではない」と考えて、行動に移さない人もいます。
そのように行動に移せない人が多いときに動き出してしまった方がいいのですね。
ほかの人と同じように考えて行動する必要はないのです。
今のうちにできることはやっておきましょう。
コロナが収束する前に動き出した方がいい理由
本格的に転職活動を進めたいと考えている方は、まずは定期的に求人を確認してみましょう。
そして希望に沿う求人を見つけた応募してみてください。
転職希望者数が減っている時期の方が応募者も少ないので、希望の求人に採用される可能性も高くなります。
そうした時期に積極的に動いてみましょう。
特に自粛が解除される時期に募集をはじめた企業は、今後の企業の将来設計を持っているため採用意欲が高いといえます。
気になる新着求人に積極的に応募してみましょう。
それに転職は求人数の多さではなく、「運」で決まることもよくあります。
求人数が多くても自分が求める求人がひとつも見つからなかったり、反対に求人数が少なくても自分が望む求人を見つけることがあります。
「求人数が多くなるまで待つ」というよりも、少ないときでもよく探した方が自分に合う求人を見つけることもあります。
そうしたこともありますので、求人は定期的にチェックしておきたいですね。
コロナ後の企業の選び方
コロナの影響で経営が苦しくなり、採用人数を減らしたり、採用取り消しにする企業が出てくるのも仕方のないことです。
でも感染拡大時や収束に向かう時期に人を採用している企業は、今回のような何か不測の事態があった時のために準備をしている企業だったり、
あるいはコロナのような感染症が再び広まったときにも仕事がなくならず、生き残っていける企業なのかもしれません。
もちろん、すべての緊急事態に企業が対処できるわけではありません。
業界や業種によってもそれぞれ違いがあるでしょう。
でも、ある程度の不測の事態にも耐えられたり、新しい時代の変化にもしっかり対応できて、今後成長が見込める企業を選びたいですよね。
今回のコロナ禍を通して、世の中の変化に上手に対応している企業もあれば、反対に柔軟に対応できていない企業も見受けられます。
そうした点も考慮しながら転職先を探してみてはいかがでしょうか。
希望に沿う求人が見つからないときには、面接のやり方をもう一度おさらいしてみてください。
今はWebによる面接をおこなう企業も増えましたので、そのやり方を調べておくといいですね。
在職中の転職活動はそれほどむずかしいものではありません。
時間があるときにネットやSNSで求人を探して応募して、書類選考や面接やテストなどの選考を受けて合否が決まります。
採用が決まった時には先方の採用担当者とよく話し合って企業の情報を集めて、本当にこの企業へ転職していいのかをよく考えてから入社を決めましょう。
もし入社したくないと判断したときには採用を辞退してもかまわないのです。
在職中であれば仕事があるため、採用を辞退しても生活には困らないですよね。
あせらずにまた新しい求人を探せばいいのです。
在職中の転職活動は余暇の時間がないときには大変かもしれませんが、あせらずにじっくりと転職先を探すことができます。
ほかの人が動き出していないときに、チャンスが転がっていることも多いのです。
「コロナが完全に収束してから」とはいわずに、今からでも転職活動を始めることをおすすめします。
コメント